第13話~新しい仲間・・~

いつも様に拠点に残されていた遥の前に南雲が一人の生徒を連れて現れた。


「折原、今後一緒に活動するお前と同じ1年A組の内川彩華うちかわあやかだ、よろしくな」


そう言われた内川は表情を変えず。


「内川彩華ですよろしく」


紹介された遥は入学式の事を思い出し。


「折原遥ですよろしくね・・内川さんって1年生代表で挨拶した人ですよね?しかもA組ってエリートクラスじゃないですか」


「そうですが何か?」


「Aクラスで代表の挨拶なんて凄いなって・・私なんてD組だし・・」


遥は内川が苦手なタイプだと思った。



話が終わり少しすると天羽、大和、片霧が拠点に戻って来た。


拠点に戻って最初に話し出したのは片霧


「あれ?南雲さんどうしたんすか?」


「丁度いい、3人にも紹介する新しいメンバーで1年の内川彩華だ、よろしくな」


そう言われた内川は遥の時と同じく表情を変えずに


「内川彩華ですよろしくお願いします」


南雲は続けて順番に先輩達を紹介した。


「まず、こっちの髪の長いのが3年の天羽響子でこのメンバーのリーダーだ」


「天羽響子です、よろしくね」


「それで、髪の短いのが同じく3年の大和操で弓道部の部長だ」


「大和操です、これからよろしくね」


「残りが2年の片霧陽子・・特に無し」


「特に無しって・・まぁー確かに・・片霧陽子だ、よろしく」


挨拶が終わると南雲は全員を集め。


「交替時間だが、皆に見てもらいたい物がある、15分後に訓練施設に集合してくれ」


全員が返事をすると南雲は内川を連れて行ってしまった。



訓練施設内部


「さてと、どうするか・・まず4人に聖服を使ってもらうか」


言われた4人はそれぞれの聖具を取り出した。


天羽はハルバード、大和と片霧は大きさの違う弓をそして遥がバットとボールを取り出した。


「内川、これが彼女達の聖具だ、人それぞれ違った聖具を持っている・・見ろ折原なんかバットとボール型時限式爆弾だ、だから気にせず聖服を使うんだ、分かったか」


そう言われた内川は小さな声で「分かりました」と答え、そして「retrieve」と唱えた。


すると、内川の聖服が光始め聖服自体が形を変えた。


それを見ていた遥達は聖服の形が変わったのを見て驚いた。


それもそのはず今まで前例が無かったからだった。


内川は聖服の変形が終わると下を向いたまま黙ってしまった。


「まぁー可愛い、まるでメイド服みたい」と天羽


「天羽先輩・・みたいじゃなくてメイド服です」と片霧


「だよな・・」と大和


「いいな・・」と思った遥


4人の反応を見た後で南雲が


「内川の聖具は聖服自体らしいのだが、南雲には分からん、どうやってGBとやりあうのか」


少しの沈黙のあと片霧が手を挙げ。


「南雲先生、バトルメイドじゃないすか?」


「バトルメイドなら何処かに武器らしき物があるだろう、例えば・・」


南雲はそう言うと自分の拳の聖具を出した。


それから内川以外で「アレでもない、これでもない」と話していると内川が顔を上げて。


「南雲先生、すいません・・実は聖具はこれです」


そう言って赤い聖具を取り出した。


「まさかそれは・・」と南雲


「秋葉原にいるメイドさんみたい」と天羽


「天羽先輩・・そのまんまです」と片霧


「だよな・・」と大和


「ケチャップ?」と思った遥


「皆さんすいません、恥ずかしくて隠してました」


と顔を真赤にした内川が「デスモンテ」と書かれたケチャップ片手に言った。



そして内川のカミングアウトが始まった。


「なるほどメイドが好き・・いい趣味だ」と南雲


「私の聖服も変わらないかな?」と天羽


「天羽先輩・・なら出来そうかも・・」と片霧


「出来るんかーい」と突っ込む大和


「私もユニホームみたいなのに」と思う遥


「まぁーいい、それだ・・その聖具の使い方だが・・」


南雲が言い終わる前に内川が何か吹っ切れた様に。


「先生、使い方は分かっています」


内川はそう言うとケチャップの蓋を開け、地面にハートを書き大きく息を吸って。


「萌え萌えキューン!」と叫んだ。


すると地面に書いたハートが浮かび上がり、そして内川は離れた場所にある的に指差し。


「お仕置きです」と更に叫んだ。


すると浮いていたハートが物凄いスピードで的に向かい、的を真っ二つにしてしまった。


そこにいた全員が唖然としていると内川は皆の方に振り返りながら。


「これが、この聖具の使い方で、他にも使い方はって・・皆さん?」


暫しの沈黙の後、南雲が口を開いた。


「あぁすまん、内川の聖具の事は分かった、みんなそう言うことだ分かったな」


そう言われた4人は「は、はい」と答えた。



そして学校ではエリート内川、戦場ではバトルメイド内川となっていた。

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