制服と私服(聖服編)

肉まん大王(nikuman-daiou)

第1話~始まり~



最終日、今回の会場であるアメリカ代表が最後の挨拶をしていた。


「・・これでサミットは終了しますが、この後に見ていただきたい映像があります」


話が終わると部屋のブラインドが閉められ1つの映像が流された。


その映像はハリウッド映画に出てくるゴーストや動く死人が出てくるホラー映画の様な映像だった。


映像が終わると主要8カ国の代表は黙っていたがそれ以外の国の代表から


「アメリカ代表、こんな映画を見せてどうしようと言うんだね」


「アメリカ映画の宣伝ですか?」


「うちでは映画を見るほど裕福な家庭は多くない」


などとヤジが出た。


そのヤジを聞き終わるとアメリカ代表はこう質問した。


「では皆さん、もしこの地球が数年後にこの映像の様になるとしたらどうしますか?」


「馬鹿げてる」や「そんな世界になる分けない」などの返事が返ってきた。


アメリカ代表は期待した通りの答えを聞くと


「では、今回のサミットにゲストを呼んでいるので皆さんに紹介しますが、この同意書にまずはサインをしていただきます」


そう言うと全員に今回のサミットで見た聞いた等の口外禁止を謳ってある紙を渡された。


主要8カ国のメンバーは渡されると直ぐにサインを行い、それを見ていた残りの国の代表も遅れてサインをした。


「では、皆さんに紹介します・・カルヴィオ星の代表アイルです」


そう言うと入り口が開き身長1mくらいの耳たぶが大きく少し肌が黒い細身の男性が現れ、そして会場がざわついた。


アメリカ以外の7カ国の代表はこの話を聞いていたが現物を見るのが始めてだったからだった。


「皆さん、始めましてカルヴィオ星の代表のアイルです、代表といっても既にカルヴィオ星は滅びてしまいましたが・・」


異星人の挨拶を聞いた全員が黙ってしまった。


そして、先ほど見た映像を再度見ながら近い未来に地球に起こる事を聞かされた。


まず、ゴーストバグ(GB)と呼ばれる生物の存在と地球に来る目的。


そして、対応策を説明してくれた。


「GBは塩又は海水を好み人間に憑依して生体エネルギーを吸い取り、そして吸い終わると離脱しその人体を窓口にして人を襲わせ生体エネルギーを吸収する」


その話を聞いた代表全員が同じ事を口にした「地球は優良な餌場」だと。


「そしてこの水晶の光の力でしか倒す事が出来ない」


アイルはそう言うと手の中から白と黒のクリスタルの様な物を全員に見せると続けて。


「ただし、我々が協力できるのはGBの情報、最初の白い水晶の提供と今までの使用方法で、その後は交換だけです・・残り少ない我々も生存をかけていますので」


アイルが話終わると、ある国の代表が手を挙げ。


「交換と言いますが、その水晶は地球に存在するのですか?」


そう言われたアイルはアメリカ代表の顔を見た。


「あー私から説明しよう、この白黒水晶は地球には存在しない、GBを倒すと黒いのが手に入り、倒すのに必要なのは基本白の水晶で・・黒でも出来ますが黒は不安定な構造で強い力が出せますが色々とリスクがあります」


「では黒と交換で白を頂けると言う訳ですね?」


「黒を白に変える技術はアイル達が持っているのが大量にできない、それで地球でも変える事ができる方法を教えてもらっている」


その後、時間ギリギリまで話は続き最後にアイルから


「同じ状況に置かれた幾つかの星が滅びました、皆さんが協力してこの地球がそうならない事を願いっています」



黒を白にする方法は個人差があるが人間が生まれ持っている聖力を使い、分かりやすく言うと浄化して行く様な感じである。


通常2週間程身に着けていると黒から白色に変化して行き、その進行具合でその人の聖力の強さが分かる。


そして均等に配布された水晶で対GB用武器の開発が始まり国ごとに色々な武器が開発された・・


そして日本は武器も作ったがある化学者の研究の副産物で出来た、後に聖服と名づけられる制服を作り出した。


水晶を直接武器にする場合大量の水晶が必要になるが、聖服は生地に水晶を編み込むため少ない量で済み、その為他国より絶対数が多くなり、そして水晶から音声によるキーワードでその力を引き出し着用している人物の最適な武器や聖法と呼ばれる魔法の様な使い方が出来る様になった。


ただ、数や聖法では上回ったがデメリットがあり、引き出した力を異物として一時的に体内に取り入れる為、男性では耐える事が出来なく女性でしか扱うことが出来なかった。



そして真面目に開発をしなかった国が最初の被害にあった事は言うまでもない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る