第9話 防災ずきんちゃん、ご用心!?

 ちわっす、あたいだよ。


 あら、ウチの偽作者の連載作品、軒並みPV不況ねえ。まあ、作品の構成自体が、構造不況だからしょうがないね。いっそのこと、世界PV不況になればいいのよ。インフレ、フレフレ、フレンドシップ。この浦舟に帆をあげて……よくわかんない。


 つまらない話をするよ。念のためだが、大地震に注意したほうがいいかもよ。まあ、二週間程度の様子見で大丈夫だと思うわ。


 理由ね。大したことじゃないの。ただちょっと気になっただけ。それはたぶん、とってもくだらないと思われてしょうがないことなんだけど、たまたまつけたテレビで『ホンマでっか!? TV』の二時間スペシャルをやっていて、あたいがつけたときは、徳重聡、率いる石原軍団の中堅・若手が特製の炊き出しカレーを作っていたのよ。あたいは、なんでこんな時期に……ああっ! ちょっとまずいかもって、ゾッとしちゃった。炊き出しって、普通どんなときにやるもの? そうよ、大震災なんかの自然災害が起きたときよ。あたいのさあ、脳みそのどこかが、緊急警戒情報を出して来たのね。だから、救命救急袋くらいは枕元に置いといたほうが無難ね。まあ、あたいの虫の知らせはあんまり当たらないから、大丈夫だと思うけど、大震災って、何かしらの予兆があるでしょ? 石原軍団も番組スタッフも余計なことしてくれたわよ。あたいはすでに、別件で戦闘態勢に入っているの。アドレナリン、ドバドバさ。はあ、ベッケンバウアーが戦闘態勢? いつの話よ。令和に限りなく近い平成生まれのあたいには全く意味わかんないわ。あら、あたいったら年齢不詳だったわね。ここは忘れてちょうだいね。


 恩田陸の『消滅』上巻を三日で読み終わっちゃった。とっても面白くて、やめられない。上下巻合わせたら『志ん生一代』とあんまり変わらないページ数だけど、読むスピードが全然違うの。恩田さんとあたいの相性がいいのか、幻冬舎文庫の一ページの文字数が少ないのか。この『消滅』が小説のようで、実は文字だけの漫画だっていう可能性もあるわね。そういう、メディアミックスも、あると思えばあるのよ。まあ可能性は低いけどね。


 それから、外的要因として気候が安定して来たってのも関係あるかも。あたいの自律神経、一ヶ月前とは大違い。昨日今日は寒かったけれど、自律神経の状態はほとんど変わらないわ。やっぱり、戦うことも時には必要ね。ただ、大型連休明けで、忙しいのか、新任ケースワーカーからの連絡は、なしのつぶて。いつまでもあたいが生きてる保証なし。あんまり放置しとくと孤独死したあたいの、腐乱した姿を見ることになるよ。新任さん!


 夕方まで、昨日からのほぼ絶食をしていたんだけど、近所のおばさんから、カレーパンの差し入れが入ったのよ。ちょっと、水を刺された格好だけど、せっかくの好意だから食べちゃった。これが呼び水になって、夕飯はたっぷり召し上がっちまった。もう、明日からの絶食はほぼ、絶望的。ラマダンだっていうのにさ。しかし、食いもんは我慢出来ても、水はムリ。だから、あたいはイスラム教徒に生まれなかったことをアラーの神に感謝していいのかしらね。


 ああ、大震災のことは気にしないで。万が一、起きたら、あたい、スピリチュアルカウンセラーになるわ。その時は口コミ宣伝、ステルスマーケティングをよろしくね。税金を払える、まともな生き物に変化したいよ。

 はい、さようなら。

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