第6話 これって三角関係?

(ちょっと待って? あれってリチャードからの告白よね? でも、確かに姉のエルモのことが好きなはず……つまり、これって?)そうガブリエルは夕食の時に考えていた。

「どうしたの? ガブリエル?」姉エルモが心配している。

「えっと、お姉ちゃんはリチャードのことをどう思っているの?」

「え、えっと、それは……」エルモの反応からしてそういうことらしい。

(ちょっと待って? お姉ちゃんがこの反応ってことは、さてはあの貴族の子どものリチャードは私たち姉妹を狙っているとでも言うの?)ガブリエルはそう思った。

「こほん……私の可愛い妹ガブリエル? からかうのが上手ね?」ニコッとする姉エルモ。

「うーん、私はあのリチャードから抱きしめられたけどね?」やんちゃ令嬢ガブリエルがそう言った途端にガタッと音がする。

 姉エルモが明らかに慌てた様子で、

「ガブリエル? それはどういうわけなの?」と質問してきた。

「えっと、リチャードが私のことを抱きしめたのよ? びっくりしたよ」ガブリエルはそう言った。

(やっぱりあれだなぁ? リチャードってお姉ちゃんのことも狙っているのかなぁ?)ガブリエルは呑気なことを考えている。

 ワナワナと震える姉エルモ。

 それを見た妹ガブリエル。両親はあえて何も言わない。

「どうしたの? お姉ちゃん?」ガブリエルはそう言った。

「フフ、フフフフ……………………!」

 姉エルモの様子は明らかにおかしかった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る