ばーさーかーちゃんズ!

花和田 鬼小太

第1話 がうがう!

 ボクは犬派か猫派と聞かれたら、迷わず猫派と言うだろう。可愛いし。自由人なところがいい。


なのになんでかなにうえに、現在3匹も犬を飼っている。正確には――


「がうがうぅ!!」


「ぐぅぬぬぬぅ!!」


「ぺろぺろ」


「お座り!やめなさい!」


「もんすたーさん達が白旗上げてる!」


「がううぅ…」


「くうーん…」


「ぺろぺろ」


 どんな状況だかさっぱり分からないと思うが、今もんすたー達と戦闘中だったのだ。相手は降伏した。

 何故かって?ボク達のパーティーが強すぎるからだ。

 ボクは勇者。地元の村人もこの国の王様もそう呼ぶ。理由は分からない。誰も教えてくれないから。

 あれだ。キミ達の世界では桃太郎と言う物語があるのだろ?それだ、それ、桃太郎状態なのだ。勝手に周りが鬼退治しろと言う空気を出して、鬼退治に出陣、ぼっちだったのかな?桃から生まれたし、引かれていたんだと思う。人間の家来は一人もおらず、きび団子狙いの食い意地の張った犬、猿、キジ(よい子は鳥に団子上げちゃだめ!犬も猿もか…)を家来にして、何悪い事したのか分からない鬼を蹂躙する忖度物語。地元に橋、いや鬼から奪った金銀財宝を持ち帰りめでたし。めでたし。

 その魔王討伐忖度主人公がボク、「れおん・ぐりむはーと」なんだ。仲間は、ばーさーかーの3匹いや3人。

 好戦的な 「しゃーど・うっどはうんど」気弱な 「まーにゃ・うっどはうんど 」

 そしてお色気担当の 「ろみーね・ないとむーん 」だ。

 彼女達は、普段は可愛い美少女達なのだがばーさーかー化すると凶戦士となる。とにかく強い。この間、国最強の白騎士をボコボコにしていた。どちらが強いかとかケンカを売って来たのは、あちらさんなので同情はしないけど。

 でも致命的な欠点が一つある。それはばーさーかー化中は、戦闘力に極振り状態となり、理性が失われ、脳ミソがわんこになってしまうことだ。


「くーん…くーん…」


「がううぅ…がううぅ…」


「ぺろぺろぺろぺろ」


「…」



「うるさーーーい!」


 こんな感じ…。


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