第8話~サマーヴァケーション~

演舞大会で優勝したリヴァイアとの約束でレミア達は海に来ていた。


レミア、カカラ、リヴァイアの3人はそれぞれ年に合った水着姿で眩しい日差しの中、海岸で海を眺めていたがやよいちゃんは全身フル装備で日焼けするからと言い海の家に篭ってしまった。


「うわぁーこれが海なのかー」


レミアは目の前に広がる初めての海に感動していた。


「レミアは海を見るのが初めてなのか?」


リヴァイアはそう言うとレミアは


「見るのは初めてだけど、ちゃんと調べてきたよ」


「海を調べてきた?」


カカラがそう言うとレミアが例の本を出して。


「海には凶悪なモンスターがいっぱいいて、全身を麻痺させる姿が見えないクラゲとか砂に潜んでいる赤エイの尻尾は防具を貫通する威力があって、さらに巨大なタコの怪獣、夜には幽霊船・・もうレミアは怖くて眠れないよ」


カカラはレミアをスルーしながら。


「ところでリヴァイア・・泳ぐのか?海水に漬かるのか?それとも飲むのか?」


「飲むか!泳いで漬かる・・かな、それで魔力を少しでも回復させる」


そしてリヴァイアは「ちょっと行って来る」と言いながら人間の姿のまま海に入って行くとレミアとカカラは膝まで漬かるくらいまで追い駆けリヴァイアは止まらずそのまま海の中に消えてしまったが十数秒後リヴァイアが海水を飲んで咳き込みながら戻って来た。


「息が出来ないから元の姿に戻る・・」


「・・・」



数時間後、海の家で3人は「焼きそば」と言う新しい食べ物を食べてリヴァイアの帰りを待っていた。


「リヴァイア溺れていないよね?」


「まさかそんな事があったら海竜じゃない」


「海中でいい男に運命の出会いがあったとか?」


3人がそんな話をしていると人間の姿のリヴァイアが海から上がって来て濡れた髪をかき上げながら。


「危なく溺れるところだった・・」


リヴァイアがそう言うとカカラが「もう海竜辞めちまえ」と突っ込んだ。


「帰る途中であいつに会ってだな」


「運命の出会い?いい男のマーマンか何か?」


やよいちゃんが目をハートにしながら言うと。


「運命と言うか偶然?久し振りであまりにも気持ちがいいので海流に任せてウトウトしてたらクラーケンの餌になるところだった」


リヴァイアはそう言って足についた吸盤の痕を見せるとレミアが


「クラーケン?って何?」


と言うとリヴァイアが


「レミアがさっき言ってた巨大なタコの怪獣の事だ」


レミアは例の本を取り出し「クラーケン」を調べた。


「体長は海竜の時のリヴァイアと同じくらいの大きなタコの怪獣で船を襲ったりする凶悪な生物・・じゃーここの主人は相当レベルが高そうだな」


レミア以外が「主人?レベルが高い?」と思っているとレミアが壁に書いてある文字を指差し。


「あれにクラーケンの足が入ってるでしょ」


そこには「ぷりぷりの大ダコ入りのたこ焼き」と書かれていた。


「さっきたこ焼きって何だろうってここの主人に聞いたら衣のなかに大ダコの足が入ってて中の大ダコはふんどしって防具1つで素潜りして素手で捕まえるって言ってたから、多分ここの主人は昔に勇者か何かやってて相当レベルが高いと思う・・もしかして私より強いかも・・」


「・・・」


レミアの話に誰も突っ込まなかった。


かくしてリヴァイアの魔力を補充する為の海旅行は幕を閉じた。

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