第4話~ドラゴン救出~

少ない報酬を手に入れたレミアはカカラとやよいちゃんを連れて小さな食堂にいた。


「それで、リヴァイアってドラゴンを助けて鱗を貰って転売する?」


眠そうなカカラがそう言うとやよいちゃんが


「ドラゴンの鱗なら結構いい値段で売れるしいい男を買うには十分じゃないかしら?」


レミアはやよいちゃんをスルーしてカカラに


「だから転売じゃなくて助けた報酬だよ報酬、まったく人聞き悪いな、それにこのままクエストしてても時間だけ無くなっちゃうし悪い話じゃないとおもうけどな」


「そのドラゴンが助けても鱗をくれなかったら?」


レミアは笑顔で「その点は考えてあるから大丈夫」と言うとカカラとやよいちゃんは「お金になるなら」とレミアに着いて行く事にした。



その日の深夜レミア達は山賊の洞窟の見える所にいた。


昨日とは違って洞窟の入り口に見張りが数人いて、洞窟の中から微かな唸り声が聞こえてた。


「何で鱗採取の日はいつも急なんだ?」


「ボスの気まぐれでお金が無くなると予告無しに始めるんだよ」


「まぁー俺達もそれで飯にありつけるからいいけど」


見張りがそんな話をしているとレミア達は姿を消し見張りに近づいた。


見張りを倒すと言うよりやよいちゃんの包帯で2人を簀巻きにして動けない様にして。


「2人共そこで大人しくしてないと後でいい事してあ・げ・な・い」


見張りは包帯で何も見えない恐怖で暴れていたがやよいの台詞で違った恐怖に動けなくなった。



ドラゴンのいる洞窟までにいた山賊もやよいちゃんが同じように簀巻きにして行ったが、ここでやよいちゃんが不満を漏らした。


「何で山賊ってイケ面がいないのかしら・・やよいつまらない・・」



レミア達はドラゴンが見え山賊達からは見えにくい場所に隠れドラゴンの方を見るとドラゴンの鱗を剥がしてる数人の男とそれを指示しているイケ面の魔道士らしきローブの男がいた。


「あら、いい男じゃない、あれは私に任せてレミア達は他をやって頂戴」


やよいちゃんがそう言うとレミアは「分かった」と言い移動しようとカカラを見るとその場で「完全に熟睡していた」


「しょうがないな・・封印解く時にいてくれたらいいからカカラはここに置いて行く」


レミアがドラゴンの近くまで行き合図をするとやよいが堂々と人間の姿のまま魔道士に向かい歩き始めた。


「これはこれはいい趣味じゃない、どうせだから私も混ぜてくれない?」


イケ面魔道士は突然現れた男に


「誰だお前、どうやって入って来た」


「誰だお前?イケ面大好きな や・よ・い 今夜は放さないから」


イケ面魔道士は魔法を詠唱すると意味不明な事を言ったやよいを中心に爆発し砂煙が上がった。


「見張りは何をやっているんだ」


イケ面魔道士が大きな声で叫ぶと砂煙の中から赤い光が2つ浮かび上がってきた。


「あら、やるじゃない・・でも私はMじゃないのよーどちらかと言うとS」


やよいがそう言うと砂煙の中から本来の姿のキングマミーやよいちゃんが現れ体から包帯を放ちイケ面魔道士を束縛しレミアはそのタイミングで本来の姿で現れドラゴン近くの山賊達を炎の魔法で黒こげにした。


「後は貴方だけよ」


やよいはそう言うと包帯を掴みジリジリと引っ張るのかと思ったら自ら包帯を巻き取るかのようにイケ面魔道士に急接近し新たな包帯を広げ自分ごとイケ面魔道士を包んでしまった。


そして少しするとやよいが嬉しそうに


「あら、やだ、結構いい体してるじゃない」


「や、やめてくれー そ、そんな所さわるなー助けてくれー」


イケ面魔道士とやよいの一夜限りの愛が始まった・・


(2人の愛の詳細はありますが、食事中の方などに不快な場面をお見せす事になりそうなので後は読者の想像にお任せします)


魔道士の悲鳴を聞きつけて数人の山賊も来たがレミアの相手では無かった。


レミアは山賊を倒し終わるとリヴァイアに近づき笑顔で。


「リヴァイアさん約束通り来ましたよ、そだちょっと待っててください」


レミアがカカラを背負って連れて来ると魔道士の悲鳴を聞きながらリヴァイアは


「レミアとか言ったな、お前は何者だ?」


レミアはカカラを無理矢理起こしながら笑顔で。


「レミアはお父さんの代わりに魔王になる為に旅をしているの」


「魔王になると・・お前がか?」


「今、勇者達に奪われた魔王アイテムを集めてるの」


リヴァイアは「勇者」と聞いて自分がこうなった事を話し始めた。


ある勇者に討伐されたリヴァイアは弱った体を休める為にこの洞窟に身を隠したが、そこでもがいてる魔道士にたまたま見つかり束縛されたと話した。


目を覚ましたカカラは目の前のドラゴンを見上げながら少し引きつりながら。


「お前、もしかして、海竜のリヴァイアサン・・じゃないのか?」


「その通り、弱っているがリヴァイアサンだ」


レミアには「リヴァイアさん」としか聞こえなかった。


「カカラはリヴァイアと知り合いなの?」


カカラは頭を掻きながら。


「知り合いと言うか・・結構メジャーな竜だから」


「そうなんだーレミアは外の世界は始めてだし、知らない事多いから・・でもよろしくねリヴァイアさん」


それを聞いたリヴァイアは笑いながら。


「レミアは怖いもの無しだな・・気に入った!魔力の回復と退屈凌ぎでレミアが魔王になるまで付き合ってやる」


レミアは嬉しそうに


「本当に?リヴァイアさん強そうだし助かる・・でも自由にする前に」


レミアはそう言うと自由にしたとたん居なくなるかもしれないからとリヴァイアに従順魔法をかけると言いそれをリヴァイアは受け入れレミアの魔法が終わると


「もし私が裏切ったらどうなる?」


「うーんと、イケ面の男になって誰かを一生愛しちゃう?かな」


今のリヴァイアには理解出来なかったがこの後に意味を理解する、それとたかがデーモンの魔法と思っていたがレミアの魔力の高さに全快の時でも抵抗出来るかどうか分からないほどの魔力を感じた。


「それでは約束の束縛の鎖を解除します」


レミアはそう言いながらカカラに向かい魔法を唱えカカラの封印を解除した、カカラは本来の成長したダークエルフに戻り自分の身体を確かめる様に手で触りながら。


「やっぱり、ナイスバディだわ・・私・・1日3分しか見せられないのが悲しいけど」


カカラはそう言うと地面に魔方陣を描きゆっくり魔法を唱え、それが終わるとリヴァイアを束縛していた鎖が弾け消えてしまった。


「どうだ!これが最上位魔法の力!」


カカラがドヤ顔で言った直後に3分が過ぎて元の小さな魔女になり眠たそうな声で。


「せめて後数分は楽しみたかったわ・・」


束縛の解けたリヴァイアは背伸びをする様に羽を広げ。


「このままじゃ大き過ぎるし色々と都合が悪そうだから人間の姿に」


リヴァイアは170cm位の青い髪に青い目のイケ面にあえて変身した。


「あら、リヴァイアもいい男じゃない・・やよいは今夜空いてるわよ」


やよいは干からびた魔道士をポイ捨てしてリヴァイアに近づこうとすると。


「なるほどそう言う事か・・これは大問題だな」


と言いながら男から160cm位の長い髪の女に変身し直すとするとやよいちゃんはつまらなそうに。


「チッ女か・・イケ面の男以外に興味ない」


そうしてデーモン、魔女、キングマミー、ドラゴンの異色の仲間でマジックアイテム集めの旅が始まった。

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