第1話

 今日もいつもの雑貨屋で働く敬三の前にいつもの常連客のお爺さんがやってきた。


 「あっ!いらっしゃいませ、今日は報告があるんですよ。今コーヒー入れますから、そこの椅子に座ってて下さい。」


敬三はいつもの午後2時頃に決まって来店する近所に住む一人暮らしのおじいちゃんの暇潰しの相手を楽しくしていた事もあり、すっかりそのお爺さんと世代の差を超えて意気投合して親しくなっていた。まるで孫とおじいちゃんの関係ほど。


 「すまないね、敬三。今日は敬くんに聞かせてあげたい話しがあって来たんだよ。」


「お爺さん、コーヒーはブラックにミルクを一つだよね。お待ちどうさま。お爺さんも俺に話しがあったのか笑 じゃ、お爺さんのお話から先に聞こうと!!こないだは戦時中の頃の食べ物がなかった話しだよね。確かどこかのジャングルで味方もいなく、敵に囲まれて・・」


お爺さんは敬三に店に来ては戦時中の話をするのが日課だった。お爺さんは若い頃学徒動員で大学生でありながら、無理矢理国によって戦争に駆り出さられた過去があった。

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