20日目『隣の予約席』
彼女の隣の席は、いつも空いている。
いや、彼女は必ず持ち物を隣に置くので、座れなくなると言うほうが正しい。
一度、試しに、隣に座ってもいいかと尋ねたことがある。
「ごめんなさい……友達が来るの」
彼女は、申し訳なさそうな……寂しそうな顔をした。
──今日も、彼女の隣は空いている。
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