5日目『刈り取る者』

 窓の外に見える桜を、純白の月明かりが照らしている。

 こんな綺麗な夜でも、僕は仕事をしないといけない。感謝もされない、仕事を。

 目の前で眠る老婦人を、ただ、見つめる。

 きっと、まだここにいたいよね。家族も悲しむよね。

「……ごめんなさい」

 誰にともなく呟いて、重たい鎌を持ち上げた。

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