第7話

 『なんで、あんなことしちゃったんだろう』

朝の教室でぼんやりと通学路での突然の真由美からの告白について考えていた。


「よ、ケイ、神埼から聞いたぞ。ついにカップル成立だってな」

ニヤニヤ笑いながらクラスメートの村上正樹がからかいにきたようだ。

こいつは以前から真由美との関係を恋愛関係として絡んできていたクラスのリア充代表みたいなイケメン。

こいつがそんなことを大声で言ったものだから、まわりの連中も放っておいてはくれない。

「何、ついにケイと森川ちゃんくっついたの」

「ちくしょうオレ狙ってたのに」

「やっとか。お幸せに」

当事者そっちのけで大騒ぎである。



『あんな顔されたらしかたないよなぁ』

真由美の告白を聞いて頭の中がまっしろになってしまい気づいたときには、真由美を抱きしめていた。

真由美は、ちょっと驚いたようだったけど、うれしそうにそっと抱きしめ返してきた。


「おぉ、やるね伊藤君。言葉じゃなく、抱きしめることで返事するとは大胆だね」

それを見た神埼さん。恋愛が主食の女子高生リア充代表らしい言葉だ。

これしばらくからかわれるやつだなぁ。

「ところでお二人さん、ここ通学路。公衆の面前ってわかってるかなぁ」

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