第2話 アルプラザ

 「奥様、アルプラザは品揃えが良いわね」


 「そうよねー田中さん」


 熟女の会話を横目に、服屋で品定めをしていた。


 どの服も独創的で、見たことがないものばかりだ。


 そして、選んだ服を着た。


 「あのーお客様? そちらは商品でございますよ」女が話しかけてきた。意味は分からないが、まさか、俺の逃亡を手伝ってくれるかもしれない。


 「今から北に逃亡する。ついてきてくれるのか?」


 「北にって……店長!! 万引きしようとしている人がいます」仲間を呼んでくれたみたいだ。助かる。


 「なに? アルプラザの店長として万引きは許さないぞ」体つきの良い男が出てきた。


 「私はアルプラザのバイトとして、めんどくさいことには関わりたくないのでとりあえずあがりま~す」女が店の奥に消えた。


 「女は何処かに行ったが、一緒に反乱を起こすぞ」俺は手をさしのべた。


 「何を言っているんだこいつは?」


 俺は歓迎して、ひとりでに開く扉から清々しい気持ちで外に出た。


 すると肩を掴んできた。


 「ちょっときてもらいまひょかー」



 「で? こいつが万引きを」青い服の男が眉間にシワを寄せて言った。


 「そうなんだ。アルプラザの大切な商品を……早く返せこんにゃろー」


 「どうして盗んだの?」


 「クーデターを何故起こしたんだ? 何か不満があったのか」


 「クーデター? そんなもん知らんけど不満はたっぷりたっぷりあるよ」


 「俺には沢山の女がいたんだ」


 「え? なにPray boyなの君? クソ!! 俺はまだ童貞なのに」


 「さっさと逮捕してくださいよお巡りさん。アルプラザが泣いてますよ」


 「えー、めんどっぴーな。しんどいな」


 「ふざけんな、滋賀県の市民が困っているのに、それでも滋賀県の警察かバカもん!!」


 「ワカリッマシタよ、」


 鉄の鎖を手首に付けられた。


 まさか、この男は仲間では無かったのか……。


 「裏切り者が!! もし、また俺が王に戻ったら貴様をギロチンの刑にするからな」


 「早く連れてけ早く早くー」


 鉄の塊に乗せられた。それが動き出したんだから、かなり驚いた。



 無機質な部屋に入れられ、椅子に座らせられる。


 扉が開き、出てきたのは老人だった。


 その老人も席につき、何かの言葉を発した。


 「君の名前は?」


 えーと、まずは自己紹介からだな。


 「俺の名前はアランだ」


 「今すぐにアランを調べろ」


 女が反応して部屋から出ていく。


 すると、老人が魚を差し出してきた。


 「本当は禁止されているんだけど、こっそりね、ビワマスだよ」


 「美味いぞ!!」笑っていた。


 その魚を食べると、かなりの美味さに驚いた。


 すると、扉が開いた。


 「保護者と連絡が取れました」




 


 


 


 


  

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