鏡像へ捧ぐ

なんてことだ今日も鏡像は美しく

それはもちろん鏡に映った私自身

美しい私が美しい私を見つめ返す

可愛い私が可愛い私を見つめ返す

この幸福を私以外知らないなんて


今日も明日も私自身が可憐だということが

こんなにも心を落ち着かせてくれる

なんて可哀想なんだこの幸福を知らない人は

この幸福を知ることは一生涯ないのだ


たっぷり保湿液を塗り込んで

ファンデーションを叩き込み

リップやチークやマスカラで

今日を生きるための私を作る


大好きな私

私を好きな私

私を好きでいるためだけに私は命を繋いでいる

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る