毎日ちいさく上手くなる
「本格的に小説を書き続けてみよう」と決心する前、実はゲーム実況というのをやっていた。
創作論なのにゲームかよ、と思うかもしれない。
だが、ちょっと待ってくれ。少し聞いて欲しい。
ゲーム実況をやるからには、視聴者と共に成長していく姿を見せたい、とは思っていたが、ただ単純にゲームをやっても上手くはならず、成績は伸び悩んでいた。
そこで、「ゲームが上手くなるためには、ゲーマーのことを知らないといけない」と思い、ウメハラで知られている、格闘ゲームのプロゲーマーである、梅原大悟さんの本を買ってきて読んだのだった。
ウメハラさんの本は、自分が考えていることを、自分が実感している言葉で、表現しており、とても頭の良い人だな、という印象だった。
大抵、賢ぶって、似合わない修飾や、大げさな言葉、そしてどこかで聞いたような根拠を並べたがるのだが、そういうのが殆どなかった。自分の体験をもとに語っていて好印象だった。
それはともかく、ウメハラさんの本、『勝ち続ける意志力』という本には、次のような言葉がのっている。
「先を見ず、まずは目の前の5段を登ってみればいい。次にもう5段が見えたら、また登れればいい。そうやって毎日5段ずつ登っていけば、500段上るのもそれほど苦痛に感じないだろう。最初から500段上るぞと熱くなると、往々にしてあとが続かない。」
ゲームと小説は良く似ていて、ゲーム自体も「これを知ったら成績があがる!」みたいな方法はない。大抵、毎日「これを直したらどうだろう」みたいな繰り返しで、ある日突然上手くなっている。
たぶん、小説も似たようなもので、いきなり上手くなるもんじゃない。話の構成、文章のテンポ、ユーモア、さまざまな要素が上手く絡み合って始めて面白くなる瞬間みたいなのが生まれるのだ、と思う。
そんなこと言われても……と思う人もいるので、別の本から。
スポーツ科学的に「上達とは」という分析を書いた、児玉光雄さんの『上達の科学』という本がある。その中で、必ず「練習しているときには伸び悩む時期が存在する」という。しかし、その伸び悩んでいる時期も練習を続けることで、結果が出て芽が出る。
つまり、上達とはまっすぐなものではなく、どこかで一回停滞するものだ、ということのようだ。
「小説が上手くなる」というのは難しいものだし、処方箋が存在しているわけではない。
ただ、毎日一つだけ「この点は小説が上手くなったな」みたいなのを積み重ねていくみたいなことが必要なんだな、ということを良く考えている。
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