空を飛ぶ事が冒険だった時代だからこそロマンがあります

 飛行機が自在に空を飛び、戦闘機がマッハ2級である事が当たり前になった今が、どう訪れたのか、その一端を感じられる空気が再現されています。

 時速1200キロと言葉にすれば一言ですが、そのスピードが単純に「速いだけ」でない事を感じられるはずです。

 音が伝搬する最高速度である時速1200キロを突破するという事は、それ以上となれば空気は壁となって立ちはだかります。

 作中でも、それを突き破った轟音を書かれていますが、これを読んだ私の心にも、同じ轟音が、衝撃を伴って響きました。

 空を飛ぶ事、音速を突破する事が最大の目標であった頃の空気を感じられる傑作です。