accession2
Calling23 意外
――ポーン<地下24階デス>
あーさてさて、カイトの案内でLがいる区画まで来た。それにしても……
「オペレーターまで一緒とはな」
「ここでは特務官と呼んで下さい。それで通っているので」
「はいはい、特務官さんよ」
Lのいる区画は特別な権限がないと入れない。カイトに頼んで抉じ開けるってのもできたが波風立てても仕方ないんで『特務官殿』の権限を利用させて貰った。
んで区画につくなり一人研究員らしき奴が駆け寄ってくる。
「特務官殿、ようこそいらっしゃいました。しかし何用で……」
「いえ、KさんがLに用があるとの事で案内したんですよ。ダメでしたか?」
「そんな、とんでもない! しかし……」
「ん? Lには会えないのか?」
「今、Lは調整中なんです。果たして目覚めるかどうか……それに不正なアクセスもありましたし」
「不正なアクセスに関しては私が対処しておきました。Lは……まぁKさんが話しかければ目覚める気がしますけど」
「Lが寝坊助でなけりゃいいがな」
そんなやりとりしつつ、歩を進める。まーなんとも如何にも実験区画とでも言うべきか。
仰々しい扉はあるし、やけに真っ白だし、変なセンサーはあるし、暗証番号は長いしで呆れるわ。こっちの組織でもこんなんあったなぁ。
と、頭の後ろで手組んで口笛吹いてたらLの居場所に着いた。
「こちらです。この扉は一度開けて中に入ると権限を持つ者しか内側から開けられませんので……」
「私なら大丈夫でしょう? 私も中に入ります。よろしいですか?」
「はっ」
「んじゃ入るぞー。おーいLよー」
――キイイイイ……ピピッ、ガコン!
閉まる音まで仰々しいな、全く。とにかくLがいる部屋に入ると……おいおい何だこりゃ。
「Lの趣味はどうなってやがるんだ……」
「あはは、可愛いじゃないですか」
見渡せば辺り一面パステルカラーのゆるふわルーム。ぬいぐるみやらなんやらの可愛らしいモンが部屋を埋め尽くしてる。
おまけにLの寝てるベッドなんかレースの天蓋付きクイーンサイズだぜ?
「ある意味貴女を超えてますねぇ」
「嫌味か? 悪かったなガサツで」
「いえ、別に」
「まぁいい、とにかく起こしてやらねーと。おーいLよー! 話があるから起きろー」
「んぅ……」
――バサッ
「あっ、テメェ。布団に隠れやがって。おい、起きろ」
ベッドに乗っかり直接揺する。だが一向に起きる気配がない。
「チッ、寝坊助め。起きろって!」
――バサァッ!
こうなりゃヤケだ。布団引っ剥がしてやる!
「おい、起きろ……なっ、これは……!」
目の前には見るも痛々しい身体があった。
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