Calling19 発想
――ヒュン、ヒュヒュン!
「どうだカイト? 何か変なところはあったか?」
『特に問題ないようですね。これでも違和感アリ、と?』
「そうなんだよなぁ」
カイトの分析は信用出来る。だから数値的には問題ねえ筈なんだ。とするとこの違和感は……
「ふーむ、やっぱりアレか。アレが必要か」
『ええ、実践が必要ですね。素振りでは拭えない何かがあってそれが数値に見えないものとしてある筈です』
「だよなぁ」
うーん、どうしたものか。実践ったってここにはヴェインもいないし、いたとして失敗作だろうがそいつらとは相手したくねぇ。それが本物の失敗作であれ、研究所連中の勘違いで出来た失敗作であれ。
そんなモン相手にしたらまたブチギレそうだ。あれは色々疲れる。
『ケイト? どうしたの、考え込んで?』
「んん、ああいやどうやって実践すっかなぁ、ってさ」
『うーん、変な話になりますがLさんと素手で手合わせするのはどうでしょう?』
「アイツとか? しっかしアイツとは完璧な状態で……ああ、そうか!」
『何か思いつきました?』
「良い方法があるんだ。多分この違和感はアイツと一撃交えれりゃ消えると思うんだよ。だから一発だけやる。それならアイツも納得するだろ」
なーんでこんな簡単な事早く思いつかなかったんだ。んまぁアイツと偶然会わなきゃ分からん事ではあったかもしれんが。
『なるほど……しかしどうしましょう? 研究所内でのLの居場所は分かりませんし、それに様子も変でしたし』
「まぁ大丈夫だろ。アイツだって化物だ、すぐ治るさ。居場所は……幹部締め上げて吐かせるわ。カイトに任せっきりもイカンしな」
『はーい。何故か強固なセキュリティ区間があるのでそれっぽいんですがアクセス出来ないんですよ……』
「そかそか、まぁカイトも程々にな。そういやオペレーターはどうしたんだよ?」
よく考えたらオペレーター出てきてねぇ。Lとやり合ってるのなんかアイツは見たい筈なんだがな?
『オペレーターさんなんですが出張が入ったそうで』
「はぁ? 出張? 珍しいな……」
組織の仕事か? やけに素直に従ったもんだ。何かに付けて行かないのがいっつもだったんだが。まぁいいや、アイツはアイツで何か考えでもあるんだろう。
「ま、了解。今からLの居場所聞き出してくるから取り敢えず一旦切るわ」
『じゃあまた後で!』
――ピッ……
さあてと、私も行きますかねぇ。
「さっさと
エレベーターで上層階へGO!
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