第2話 とんとんずもう

「今日は、トントン相撲を作りますー!」

先生が手を叩く。みんなで拍手。

「せんせー、とんとんずもーってなにー?」

あいちゃんが手を挙げる。

「それはねー、いーい?これ!」

先生は紙に描かれたキャラクターを見せた。ジャパリパーク のマスコットキャラクターの、ラッキービーストだ。

「これをねー、この台に乗せてー、とんとん、とんとん!」

先生が紙製の台の両端を指でトントンと叩くと、ピンクのラッキービーストが倒れた。

「こうやって遊ぶの!楽しいでしょ?」

子供たちは目を輝かせている。

作り方を説明し、子供たちを見回る。ツチノコはやっぱり赤いクレヨンで、…あれは何だろう。まーちゃんは、やっぱり黄色のクレヨンだ。

「できたー!」「できた!」

次々と手が挙がる中、あいちゃんは緑のクレヨンを手に、なかなか苦戦しているようだ。まーちゃんが心配そうに付き添っている。

「うまくかけなくてごめんね」

あいちゃんは半べそをかいている。

「それ、ぼくだよね!ありがとう、うれしいよ!」

お世辞にも上手いとは言えない緑一色の絵だが、まーちゃんは心から嬉しそうにしていて、あいちゃんもやっと微笑んだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る