第一章 幸せを求めて

私は瀬戸菜月せとなつき十七歳、身長は百六十センチ。

高校を二年で中退した私は、

新たな人生の扉を開ける為の人生の中でもっとも重要な分かれ道、分岐点に。

就職という文字も頭の中にはあったが、

ある事をきっかけに思いもよらない方へと人生が変わり始める。


高校一年の私の妹、涼葉すずはが手にした「」ゲーム。

高校の生徒も一日で彼氏、彼女を得て結婚したと話題に

なっている噂話を耳にし妹に彼氏が一日で出来ゲームの虜になり

私にそのゲームを勧めてきた事がきっかけ。


その真相を確かめたい好奇心こうきしんから私は即座そくざにパソコンに向かい

電源を入れ起動、新たな人生と出会いの扉を開いてしまっていた。


恋愛ゲーム期間を選択する画面が現れ半年体験入学か本契約卒業編か選ぶ事が出来たが、もちろん不審な気持ちで手にした私にとったら

体験以外の選択肢を持てるはずもなく

真相を確かめたい気持ちも織り交ざり、完全なる卒業を目指せる

本契約編ではなく半年体験入学の文字をクリック。


その瞬間一瞬意識が飛び気がつくとどこかの六畳程の部屋の中に。

目の前に小さな可愛らしいピンク色のミニテーブルの上に

取り扱い説明書と書かれた一枚の紙が置かれていた。


「共同生活をする事でお互いをより身近で知る事が出来き

恋愛する事が目的で建てられた学校、学園内では数々のイベントや

お互いを知る為の普段では体験出来ないような数々の行事が隠されています。

それを見つけ出し時には助け合うことも重要になります。

元の世界に戻る頃は素敵な彼氏が出来るでしょう

バットエンドにはおきおつけ下さい

では素敵な出会いが訪れますように健闘を祈ります。


バットエンドについては何かわからなかったけど、恐らく在校生

から情報を聞けば何かわかる気がした。


「寮に居るみなさん恋愛学園の世界にようこそ!

素敵な相手を見つけて伴侶となる方を見つけて、元の世界で幸せに

なってくださいね?その前に手元にあるぬいぐるみを用意してください

心で念じれば手元に現れますので。


学園の放送が終わる前に簡単な説明もあり、相部屋の方が新たに

明日入学するシステムらしい、現実から又この世界に入り込む事になるのは

定められていた生徒のみみたいなんだけど、私がこのゲームに入ってきたのは

選ばれた使命があり必然って事だと知った。

これこそが運命であり学園とのご縁なのかもしれないと思えた。


心の中でウサギのぬいぐるみを念じると、テーブルの上にウサギのぬいぐるみが

出現、そして猫のぬいぐるみも出現。


寮の部屋を簡単に説明すると六畳の部屋のダブルベット

タンス、テーブル、時計、テレビ、ソファー、棚、机等

クーラー、全て生活必需品取り揃えられている全てピンク色。


廊下を出ると、右手側から温泉のお湯が出るお風呂に、別トイレ付き。

手前にはリビング、一式取り揃えられているキッチン、テーブルや椅子、

テレビやソファークーラー自動の乾燥機。


女子寮の隣は中央の館を挟み男子寮、中央の館の前にはハートを持った天使の

オブジェと噴水が見え、そのまま進むと緑が生い茂る桜の並木道そして正門が見えるが花や葉っぱなどで出来たアーチェーリー型の可愛い飾りで出来ている様だ。


テーブルの上には学園専用のスマフォが置かれていて、

バーコードで学園のHPを読み取ってくださいも書かれていたので

早速実行。

イベントに参加する際もこのスマフォを常にお持ちください

と紙に書かれていた。


「お待たせしましたでは早速ですが、最初のミッションを受けてください!

目の前に粉の入った袋がが出現しましたら、それをぬいぐるみに振り掛け

性格の玉を捜しに中央の館に移動し探してください。

性格の玉の残りにつきましてはスマフォから学園のHPにアクセスし確認出来ます。

では、ミッション開始!」


私は目の前に現れた茶色い袋の中から白い粉をウサギと猫のぬいぐるみにかけると

スマフォを持ち部屋から出た。

他の学園の生徒も同時だったのか廊下でバタバタと足音が聞こえていた。


学園の生徒を見て気になったのはみんな学園の制服を着ていた事

部屋から出た瞬間に、普段着から制服に変わったみたい。

着替える必要が無いみたいだけどとても不思議に思えた。


中央の館のロビーに着くと、待合い広場になっている

椅子がいくつか並んでいて正面に階段右手側に事務所、医務室、食堂。

一階は込み合っていた為二階に移動した。


左手前に向かって図書館に多目的ホールの部屋、

探すのに時間が掛かると思われる図書館へ移動。

他にも数人生徒は居たけど一階の人を思えばまだましだと思えた。


私もみんなが本棚を調べている姿を見て、本棚に手を伸ばした瞬間

「ガサッ」っと物音が聞こえ本棚が一瞬動いた。

「シロ!あれを取って来て!」

「なっ何をするんですか!それば僕が先に!」


っと白い子犬が本棚に飛びつき性格の玉らしき物を口に加え

身長は私と同じくらいで若そうな青年。犬と一緒に逃げていく姿が見えた。

身長で言えば百七十センチ程でメガネを掛けた真面目そうな男性、

逃げた男性を追う気もないのか呆れてため息まじりにメガネのフレームを

触りズレたのか直している。


「最終的には奪って逃げるのですね」


窓際のカーテンのある辺りで、

「やりーこんな所にあったぞっ!」

学園の生徒の一人が嬉しそうに性格の玉を右手を高く掲げ上げガッツポーズで

見せびらかすようにみんなに見せている。

残りの数を調べる為学園のHPにアクセスすると残り一つ

図書館にあるみたいだった。

私は視線を移し壁にある掲示板に目が入り移動した。


「この学園にある秘密の案内版ですね?」


声のする方を見ると先程性格の玉を持ち逃げされた男性が

真横に立っていた。


「すっすいません突然お声をかけてしまって」


男性はスマフォをポケットから取り出し掲示板に向けて

カシャっと何かを取った。

よく見ると、バーコードが掲示板に貼られていてそれを

撮ったみたい。


「知り合いからこの情報を得ていましたのでもしよかったら

やってみてください。僕は水島涼みずしまりょうと言います。

良ければお名前を教えて頂けますか?」


「あっすいませんわっ私は、瀬戸菜月です」


「菜月さんですね、また何処かでお会いするかも知れませんね

では、僕はこれで」


涼君は名前を名乗り図書館から移動した。


私もスマフォで掲示板のバーコードを読み取ると。

「受信しました!今後の秘密の案内が届く迄今しばらく

お待ちくださいとメッセージを受信した」


図書館の性格の玉の残りが無い事に気が付きその場を離れ移動。


私はそのまま隣の建物の男子寮にある映画館に移動した。







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