第2話

覚醒


そして夢を振り返り携帯電話で見た日付けを思い出していた。今日は、丁度内装クロスを決めてもらうのに彼女のお宅に寄る予定だった。

ピンポーン。

ルト「こんにちはー!神家です、内装の打合せに来ました。」

佳奈のお母さん「どうぞ、こちらに」

お母さんが丁寧に対応する。

ルト「失礼します」

後についていくルト。改装中のリビングに通されイスにかける。

ルト「クロスの見本を何冊か持って来ましたのでこの中から選んで頂ければ」

佳奈のお母さん「そうなんですね、沢山種類があるものね!」

1ページづつ丁寧に見開いて終始笑顔で楽しそうに選んでいる。

何かを選ぶ時は楽しさや想像だったりの感情が良く表れてこっちまで幸せな気分になれるからそういう時この仕事をしていて一番良かったと感じられる。

ルト「仕上がりが楽しみですよね!ゆっくり選んで下さい、内装の工事まで時間はありますので」

佳奈のお母さん「この場で娘に聞いて選ぶつもりでいたんだけど、今日は外出しているもので。少しの間お借り出来るかしら」

ルト「ええ、勿論です。ゆっくりで大丈夫です!」

彼女は外出なのか…焦りと不安が込み上げる。もし今日が事故の日なら、、

何にしても早く伝えなくては。

ルト「それではクロスが決まりましたら又、お伺いします。お邪魔しました。」

彼女に会えなく歯がゆい気持ちで家を後にした。

司会者「ノストラダムスの大予言、今夜あなたは目撃者!黙示録を徹底解読。司会の小山敬太郎です。さあっ!今夜ついに解読します、あの言葉。これまで色んな方々が取り上げ解読され、今尚謎に包まれたまま。今日は真夏の3時間スペシャルという事で様々な角度から調査し解読した一部始終をご覧下さい。」

あっ、そういえば今日だった。この手の番組は割と好きでよく見ていた。

司会者「えー、本日はノストラダムスの後継者とも言われ昨近話題になってます素戔ミコトさんをお呼びしております。」

なーんか、名前からして胡散臭いし。信じてはいなけど子供心にどことなく期待して見ていた。

司会者「どうですか!素戔さん、ノストラダムスの大予言と言えば最近では、あの9.11のアメリカ貿易ビル爆破テロ事件をピタリと当てていると騒がれましたよねー!」

素戔ミコト「ええ、確かに色々な解読では日付、内容共当てはまるのではとされている言葉があります。そして私も予言者の1人としてノストラダムス予言書は大いに勉強して来ました。」

司会者「んー、そんな素戔さんから今日はTVを通してどうしても伝えたい事があるそうで」

素戔ミコト「ええ、」

ひとたびカメラを見た後、

何かを唱え始めた

素戔ミコト「เหจวเขขจาลมชา่จบอเจ」

暫くスタジオに沈黙が続く…

TVに集中していたルト、突然頭痛が襲う。

キーーーン。

画面に吸い込まれるように視界を全て奪われ鮮明に夢の記憶が蘇る。

んー…

あっ。。この男、見た事ある、、

素戔ミコト「能力に気づいてない予言者よ、これから起こる未来を受けと止め変えられる現実がある事に力を使いなさい…」

うつむき集中する素戔が呟く…

それが自分に向けて言われている事だとは思いもしなかったが前に夢の中で見ていた男だったのを思い出し悪寒がした。

名前は思い出せないが予言者が能力について呟く光景をリアルに感じたルトはそれが夢で見た人物の記憶である事に気付き始めていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る