#8 ナツの部活見学

 次の日。


6人は平凡な日常に戻っていた。


この町がウイルスに浸食されているという事実は受け止めたものの、そんな気配などは全くもって感じなかった。



「そういえばナツミちゃんとリクト君、部活は決めたの?」



その日の放課後、サキコがきいた。


「あ、私達の事はナツとリトでいいよw

リトは決まったみたいだけど…」


そう、リトはタケヒコと同じサッカー部に入部した。


でも私は…


ナツは迷っていた。


「じゃあ、私達と同じ、生徒会はどう?」


佐藤は薦めてくれるが、



私、頭悪いしなあ…


そんな訳で、6人は部活見学に来ているのだ。

ちなみに今見学しているのはテニス部である。



パコーン…パコーン…



コートでは熱烈した試合が行われていた。


休憩時間になり、試合でリードしていた選手の元へ、一人の女子マネージャーが飲み物を渡すのが見えた。


しかし、その瞬間…



「ぐはっ…!!」


その選手が血を吐いた。


6人はただならぬ気配を感じていた。


「ねえ…これって…」


どうやら他の5人も同じ意見のようだ。

6人はすかさずサイコロをふった。


今日の武器は、ナツが弓矢、リトが鎌、サキコが剣、タケヒコが日本刀、佐藤も弓矢、夕丘が斧だった。


「私が先に行きます!!」


まずは夕丘が飛び出して敵に大きめのダメージを与えた。


「たっちゃん、私達も行こう!!」


次に、タケヒコとサキコがある程度近接戦に持ち込む。その様子をリトは苦い目で見ていたが…


そして佐藤とリトが遠距離から矢を放ち、

最後に


「今だ!!ナツ!!」


リトの合図を受け、ナツはトドメを刺した。



「結局…部活どうするの?」


帰りに佐藤がきいた。


「うーん…やっぱりテニス部にしようかな。あんなに熱中できるならやってみたいし、最近運動してないし。」


「そんな理由かよ!?」


5人は一斉に突っ込んだが、ナツは前よりも晴れ晴れとした顔をしていた。


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