第9話 セントルーベンスの墓所

さて…落ち着こう…。



ここは隠しダンジョン。セントルーベンスの墓所だ。


即死トラップ。残虐なる敵の強さ。脱出不可の糞ダンジョンだ。



まず言わずもがな即死トラップ。


たとえば宝箱を見つけて近づく。落とし穴がある。腰の骨を折って動けなくなる(全員)

残念、貴方の冒険はここで終わってしまった!になるのだ。


ここで面白いのが落ちた時点でゲームオーバーなのである。


普通に考えてみて、才子が落下したからといって死ぬということはないはずである。

だが、問答無用のゲームオーバーであり、ここからはどういったこともできなくなる。


回復の泉が硫酸の水だったとか(気づけよ)、なんか窓が浮いてるなーと思って開けたら宇宙空間だったとか。(なんでや)

落ちている剣を装備すると死ぬとか初見殺しも多い。


この即死トラップが戦闘フィールドにも効果を及ぼす。

ギロチントラップでは、キャラ選択、移動先選択、移動、攻撃みたいなのがあるのだが、この移動の際にギロチンにぶつかると死ぬ。


どこかの時をかける少年のゲームではギロチンはダメージだけだったが、こちらでは即死だ。

気分は大統領の娘を助けに来たエージェントである。



次に敵の強さである。


ここの敵は出会って3ターンに味方にHP100%分のダメージを与えてくる(即死回避不可)とか

ダメージ反射持ち(1/3反射、敵HPは最高レベルの知奈ちゃんの3倍、ちなみに知奈ちゃんが仲間キャラHP1位)

さらに13種類の状態以上にかかるブレスとか盛りだくさんである。


そしてこのゲームはレベルによって敵に強化が入ると言ったが、ここだけ例外で敵の強さはMAX固定である。


多少レベル上げをしたとはいえ、自分のレベルは…おそらく60前後であろう。



あろうっていうのは、この世界…ステータス画面が無いのである。

ダメージ表記だけは目で見えるのと、あとこれぐらいしかHPが無いなとかそういうのは感覚でわかるのだが…


俺はレベル57程度で覚える、神殺両手投(しんさつりょうてなげ)を覚えて、少し戦闘を終えている…のである。



まぁここにも罠がある。覚えるレベルはあくまで目安であり、ここにATKとINT等の必殺技必要ステータスを満たす必要がある。

ついでに言うと、最低保障レベルまでに上がるまで満たしておかないと特訓場に行かないと覚えられない…という罠でもある。


ということで仮に60と仮定して、ここの推奨レベルは99である。



わーお…



ゲームと違う点としては戦闘前に凜子のバフをかけれるという点である。

これはかなーーーーーりでかい。


今覚えている凜子のバフをかけると戦闘力的には300%ぐらいアップする。

…やっぱり糞ゲーじゃないか。まぁ助かったけどね。


だーーーがーーーー



今のPTメンバーは俺、凜子、そして…



鳩とエレンである。



さて、このゲームにおいてPT外成長というものは存在しない。

エレンに至っては戦闘要員ですらない。


つまり、鳩のレベルは初期レベルの8である。


レベル8の鳩に300%のバフをつけてもまるで意味が無い。



そして…今回何故ここに来てしまったかというと…


心の鍵を取り出す際に『別のヒロインと鍵が被る』とバグって隠しダンジョンに飛ばされるというのがある。

俺が錬成したあの絆創膏…っていうか、2枚あったから、その2つをそれぞれエレンと鳩が宝物にしていたってことなんだろうけど…。



2枚同時に錬成とかできるんだねちくしょう。


「…ねえ…藤島君…2人とも…」


「ああ…そうだね。こっちも問題か」


ショックを受けてる2人を見る。



「…今のワタクシの命は…何…もう…使えない…ワタクシは…」


「私は…私の拳は…」


鳩さんは、基本ボクキャラなのに、地の時だけ私なのね。




「よし!ここをキャンプ地とする!凜子!ご飯作るぞ!!」


ここはダンジョンに入る手前だからまだ戦闘は発生しない。

つまり、休息取り放題だ。


まず人間関係を清算してから、ダンジョン攻略だよね!

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