第2話 メインヒドイン登場!

工藤瑠璃


容姿端麗、性格も良く非の打ち所がないヒロイン。

このゲームのパッケージの中心に描かれているメインヒロインだ。


訂正、ヒドインだ。


「とりあえず行くかー」

「なんかそっけなーい」


当たり前だ。


このヒドインだが、「今日も綺麗だね」とでも言った日にはその場で逆レされる。

主人公はゲーム開始30秒で童貞を捨てれるわけだ。


犯された後は監禁されて死ぬ。

正確には弟が死ぬのだが…


藤島健とみさきは設定で太古の魔神が封印されているという。

主人公はそれを利用して戦えるわけだが…


どちらかが死ねば封印が解けて両方死ぬ。最悪の設定なのだ。

ちなみに、兄には上半身、弟には下半身が封印されていたりする。


3人パーティで、みさきをパーティに入れなければならない場面ではこの設定はボディブロウのように効くのだ。


このケースは主人公が監禁されて、それを探したみさきが怪物に襲われて死ぬらしい…

なので監禁はNGなのだ。

慎重にもなるわ!!


とりあえずスマホにイヤホンをつけれるみたいなので音楽を聴いて無視をする。これで好感度はマイナス5になるはずだ。

瑠璃が何か言ってるな、音量を上げとこ。


このゲームは好感度システムを採用してる。

瑠璃の初期値はプラス100なのでもう少し下げると瑠璃ルートからは外れるわけだ。


歩きながら情報を整理しよう。


瑠璃は今の学園に通うために悪魔に魂を売った設定だ。

瑠璃ルートとあるルート以外ではラスボスになる。



ラスボスが瑠璃になってしまうと最低最悪の運ゲーになる。


瑠璃は第二形態、第三形態、最終形態に変身する度に「その愛は永遠に」という技を使う。

これは主人公のHP割合依存の即死技だ。

主人公のHPが50%ならば50%で死ぬ。

満タンなら確実に死ぬ。

それだけならまだなんとかなるかもしれないが、最終形態時に「我の前に立つ資格なし」というアビリティが発動し、HPが30%を切るとその場で即死する。


つまり、30%以上で死ぬ。運ゲーポイントの一つである。


その運ゲー貴方ならできますか?

私は出来ません。


ということで、瑠璃ルートかもう一つの別ルートを選ぶしかない。


瑠璃ルートは好感度80〜149のグッドエンディングと好感度150〜のトゥルーエンディングがある。


グッドエンディングは兄弟揃って監禁。

トゥルーエンディングではヒロインと一緒に溶鉱炉に入り一つになる。


どっちもごめんだ。


トゥルーエンディングのCGで主人公がアイルビバックよろしく親指を立てていたな…

スタッフもヤケクソだったんやろな…


学園に着いた。



ここには俺のヒロインは一人もいない。


俺は瑠璃ラスボスを回避し、死なないで済む唯一のエンディングを目指す。


それはもう一つのルート。






俺は、弟ルートのトゥルーエンディングを目指す。










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