第2話

しばらく飛行していて、飛行場に着陸した。どうやら飛行艇でも着陸は出来るみたいだ


「さぁ、ギオン帝國に到着よ。さっさと降りた降りた」


さっきの美少女に促されて飛行艇を降りた


「あなたは調べるからこっちね」


そう言って一人だけ別の部屋に通された。その部屋は見た事無いような機械がそこら中に置いてあった


「安心して、別に実験する訳じゃないから。そこに立って」


そう指示された先には、縦長の機械が置いてあった。とは、言っても木箱に計器類を無理やり詰め込んだような感じだった


「動かないでね。あなたについて魔法で調べるから」


そう言うと、何かを詠唱し始めた。その途端に俺の足元には小さな魔方陣が出現した


「おぉ…魔方陣なんて初めて見た…」


「まぁ、この機械はまだまだ試作の段階よ。成功率は八割ぐらいかしらね」


失敗したらどうなるんだ…


そして、その魔方陣はまるでスキャンするかの様に俺の身体を包み込んだ


「終わったわ。動いてもいいわよ」


美少女はそう言うと、機械から一枚のカードを取り出した


「あなた、マークス リベって言うのね。魔力練度は…MAX!?」


何やら驚いている様だが、俺的には自分の名前が変わってる事に一番驚いてる


薄々気が付いてはいたが、俺…異世界に来たのか…


「ねぇ…特殊魔甲部隊に入る気は無い?」


正式名称は特殊魔導機動装甲部隊。この国でトップクラスの実力を誇る部隊らしい

陸、海、空、全てを戦場とする魔導兵のエリート部隊。それに俺は勧誘されたのだ

「ど、どうして俺なんかが?」


正直言って、動揺を隠せない


「ここまで魔力練度が高いのは珍しい、魔導兵の中でもトップクラスよ。だから魔導兵として一緒に戦って欲しいのよ」



お気持ちは嬉しいが…元々インドア派の人間には少し荷が重すぎる


ここはあえて断る事にした


それに、異世界に転生したからには楽しまなければ…


「正直、俺なんか戦力にならないですよ?それに、戦闘はちょっと…」


異世界に来てまで死にたく無い。どういう理由でこちらの世界に飛ばされたか分からないが、いろいろ落ち着いてからでも遅く無いだろう



「そう…残念ね。まぁ、気が変わったらいつでも歓迎するわ」


そう言うと、持っていたカードを渡してきた。落ち着いたら確認しよう


「じゃあ、あなたの家まで護送するわね」


建物の外には、いつの間にか一台の車が用意されていた。車とは言っても、現代の様な形では無くて写真などでしか見た事無いような車だった


「…エンジン音意外とうるさいんですね」


自分の家とやらに向かってる途中、何を話せば良いのか分からずにそんな事を呟いた。ちなみに、運転してるのはさっきの美少女だ


「そういえば、名前聞いても良いですかね?」


美少女としか言ってなかったので、ちゃんとした名前を聞く事にした


「フレスト レミルよ。仲間からレミィって呼ばれてるわね」


「レミルさんですか…」


「あ、敬語じゃ無くて良いわよ。同い年だしね」


同い年だったのか、てっきり年下かと…


「…あなた、私の事もっと幼いと思ってたの?」



なんで考えてる事が分かるんだ…


「まぁ、何でも良いんだけどね。…あなたの家見えてきたわよ」



それは、想像してた物より意外と大きな家だった。いや、屋敷と言った方が正しいか…

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