第2話出会い

セスティーナと共に、ツバキと馬車をひいていた従者が荷物を両手いっぱいに持ちながら玄関ホールに入ると、

「ただいま。今帰ったわよ!誰かいないの!?」

セスティーナは玄関ホールの中央へと足を進め、大声を出していた。

すると、どこからともなく黒い服に身を包んだ大人の人間が慌てた様子でやってきた。

「も、申し訳ありません!セスティーナ様!お帰りなさいませ」

「まあ、お嬢様!お久しぶりでございます!」

目尻や顔にはシワが少なからずあり、白髪も映えかかった大人たちは、明らかにセスティーナよりも年齢を重ねていたが、セスティーナへ次々と頭を垂れた挨拶をする。

ツバキは日本で暮らしていたので、ここの文化はサッパリわからなかったが、大人たちが話している言葉や、お辞儀をしているところを見る限りでは、セスティーナのほうが偉い立場にいることだけは見てとれた。どうやら、セスティーナを取り巻く人々は、船内でセスティーナが少しだけ説明してくれた女性使用人、メイドのようだった。

「長旅で疲れたわ。早速、くつろぎたいのだけど、お兄様はいるかしら?」

「ええ、はい。すぐにお呼びします」

と、言って奥の室内へと駆けだした使用人以外にも、他の部屋から次々に料理人の格好をした人やら、庭師のような人が次から次へとと慌てて出て来ては、セスティーナに挨拶をしてくる。

だが、セスティーナはそんなメイドや男性使用人の挨拶にあまり気にも留めず、屋敷の奥をジッと見つめていた。

誰かを待っているようだった。

セスティーナに連れてこられたツバキにとって、この待ち時間はとても長かった。出来ればこの場から早く移動したかったのだ。

なぜなら、出てきた大人たち全員が、ジロジロと自分を見つめているのだ。

自分の外見が珍しいのだろう。自分に向けられる驚愕の視線―――、人間じゃないというべき言葉を呑み込んだ、ギョッとした周囲の眼は今までいた故郷の日本でも受けてきた。これまでも同じことが繰り返し起きてるだけ――。この人たちが悪いわけじゃない。異形な容姿で産まれてきた、自分が悪いのだから。

(ちょっとは期待してたんだけどな・・・・・)

セレナは、どこか他の国で自分の髪が異質に見られない場所があるといいなと、願い続けていた。幼い頃からずっと胸に秘め、恋焦がれていた。

だが、見世物小屋で全国を渡り歩き、渡来人たちに芸を披露にするにつれてその思いは小さくなる一方だった。やはり、自分を受け入れてくれる国はない―――。

船に乗船中も、この屋敷でも、自分は異形なのだと周囲の視線で、嫌でも思い知らされる。

誰かが自分に言った。

『あの子は人間じゃない、何かの化身だよ』

異国のこの地でも期待とは裏腹に、やはり己の外見に対する反応は変わらず、少女の切なる願いは無残にも散った。

自分を異質の人間と見てくれる人に晒され、すっかり委縮してしまった自分がここにはいた。

ツバキが居心地の悪さを感じていると、今度はバタバタと音を立てて来たのは片眼鏡であるモノクルをつけた男性と、その後方にも同じく初老の白髪交じりの男性が駆けてきた。

セスティーナよりも歳を重ねているようだったが、他の人間たちよりもしわひとつない上品な衣服を身にまとっている。

「セスティーナ!おまえ、日本から帰ってくる予定の日より二か月も早いぞ!手紙が届くのが早かったから、行き違いにならずに済んだが・・」

セスティーナは言ってきたモノクルの男性に言う。

「ごめんなさいお兄様。帰国を決意したら、居てもたってもいられなくて」

セスティーナが言う、お兄様とは、ここの当主だった。

名を、サミュエルという。

「おまえなあ・・。と、この子はどうしたんだい?」

当主であるサミュエルは、片メガネのモノクルを通して見えた、セスティーナの横にいる少女に気がついた。

「ああ、この子はカインの日本語教師兼、メイドとして連れてきたんですわ。日本の見世物小屋にいて、こちらの教育を施せば、使い物になりますでしょうから」

セスティーナはサラリと言うが、周囲の大人たちはセスティーナの説明に更に驚いた顔をしていた。

言葉が早すぎて聞き取れなかったツバキは、急に周囲の人間達に衝撃が走ったことを感じ取り、自分の緊張が最高潮に達していた。思わず身体の至る所の肌が総毛立ちそうだった。

(セスティーナ様・・・話した?私がこの屋敷で働きに来たと・・・)

そして、たぶん、ここに居る大人たちはもう知ってしまったことだろう。自分が奇形な人間が寄せ集められ、芸を披露する見世物小屋の出身だということに―――。

視線の先にあるのは不安という声。

そんな空気に、セレナは早く部屋に案内してもらいたかった。一人、二人ならやり過ごせられるが、大勢からの視線は堪えられない。早くこの場を去りたかった。

だが、話はまだ続いた。

「セスティーナ!そこまでしなくても、うちの事業は安泰してるだろう。カインにそこまで教育しなくても・・」

「いいえ、お兄様は優しすぎますわ。この子ならば、外見上、他の場所に行っても奇異の眼にさらされるから、決して屋敷から逃げないでしょうし、あの子も同世代の子だと、いつか気を許すわよ」

そうセスティーナが話したときだった。

「おれが、どう気を許すって?」

メイド、当主、セスティーナたちが玄関ホールから後ろへと振り返ると、そこには螺旋階段からゆっくり降りてくる少年がいた。

少年は身体に合わせたスーツと、短めのズボンを着ていた。そして、金糸のように流れる金色の髪、透き通る湖を連想させる碧い瞳。

「カインお久しぶりね」

セスティーナは、努めて笑顔を作り、言う。

その言葉を横で聞いていたツバキは、初めて彼がカインという少年だと知った。

(あの人がカイン・・・・・・!)

セスティーナから、屋敷にいる少年に日本語を教えて欲しいと言われていた。

ならば、自分はこの屋敷で生活していくために、自分はこの少年に日本語を教えなければならないのだ。

「お久しぶりです。セスティーナ叔母さん。日本では離婚された旦那様とは、きれいサッパリ別れられたんですか?飛び火を受けるのはご免ですよ」っと言って、カインと呼ばれる少年は挨拶を返す。

再会したばかりだというのに睨み合うほどの二人。そんな二人を、周りの屋敷の大人たちは心配そうに見ていた。

(ど、どうしたんだろう・・?)

この時のツバキはまだ知らなかったのだが、聞いたところによるとセスティーナがこの屋敷を結婚で去る前から、二人は猿犬の仲だったという。

「安心なさい。あの男には、追ってこれないぐらいに噛みついてきたから。それに、ちょうど良かったわ。あなたに日本からのプレゼントがあるのよ」

「へえ、何かな。楽しみだけど、セスティーナ叔母様。その、プレゼントというのは、ひょっとしてその横にいる白い毛むくじゃら、じゃないよね?」

カインと呼ばれたは螺旋階段から降りたかと思うと、自分を指さしてきた。

そして、初対面のはずの少年は自分を睨んでいるようだった。

(え?私を睨んでる?)

何をしようにも、いま会ったばかりの相手が、何故自分に対して険悪感を出すのか、ツバキは全くわからなかった。

ツバキは急に少年から指をさされたことにも驚いていると、セスティーナにグイッと身体を引き寄せられてしまった。

「ひょっとしなくても、その通りよ。あなたへのプレゼントはこの子。着ている服装を見てのとうり、日本人よ」

「へえ、こんな俺みたいなガキにさらに幼い子供を押し付けようとするなんて・・叔母様・・ジャポニズムで目がいかれたのかい?」

その言葉に、ハラハラと見守っていた周囲の人間は慌てふためいた。

「こら、カイン!それは失礼だろう!」

厳しい口調の当主の前にスッと、制する手を出したのは言われた張本人、セスティーナだった。

「よくてよ、お兄様。カイン、貴方の日本語教師としてお世話してくれる子がやっと見つかったのよ。名前はツバキ。日本の花の名前、だそうよ。赤い花のね」

「な!!俺はいらないって、言ってるのに」

「そうもいかないわよ。それに、既に多額のお金を投資してるのよ?私達一族の事業拡大のためにも、この子を使いなさい、カイン。それじゃあ、私は長旅で疲れているから、後の面倒は貴方に任せたわ」

セスティーナはそうカインに冷たく言い放つと、その場を離れようとした。

「ちょっと、待て下さい。俺がこのガキの世話になれって言うんですか!?それに、こいつの髪はどうなんだ?こいつこそ、自分のことできるのか?」

カインが言った言葉に、周囲の人間は沈黙しながらも、同じ意見だった。

セスティーナが連れてきたツバキは、クルッとした大きな目からはグレーの瞳に、薄くピンクに色付きぷっくりと柔らかそうな唇をしていた。

だが、まずこの少女の眼が引くのが髪ー。

少女の髪の色が、白髪だったのである。白い髪が肩下まで伸びており、日本人の服である着物を着ていた。

「白髪、異国の言葉を話せる娘として見世物小屋にいたけど、自分で何でもできると、買い取った男から聞いたわ。船での生活も、静かに過ごしてたし、簡単な英語はわかるから、命令すれば聞くわ。それじゃあ、詳しいことは後にして頂戴。」とカインに告げ、今度はツバキに「お前はそこのメイドの言うことを聞くのよ?」と言ってセスティーナは、とうとう奥の室内へと行ってしまった。

当主のサミュエルと多くの使用人は、セスティーナの後をついて行っていき、その後ろ姿を見ていたカインだったが、その彼もどこかへ行ってしまった。

ツバキが一人でポツンと立っていると、

「あなたはこっちよ。セスティーナ様にお風呂に入れるよう、言われてるんだから」

そう言ったのは、まだ若い女性だった。

「わたし、ここのお屋敷のメイド頭してるの。あなたのここでの生活、仕事を指示するように言われてるから。ユーナって、読んでいいから!」

「よろしくお願いします」ツバキは、たどたどしくあいさつを交わす。

「こっちよ」と言われ、ツバキはとりあえずメイドの二人の後をついていった。

廊下を移動の途中で、前を歩くメイドの二人はお喋りに花を咲かせながら歩いていく。

「このお屋敷もつくづく変なものね。一風変わった趣味の旦那様に、養子であられるカイン様。極めつけ、日本に嫁いだはずのセスティーナ様は離婚されて戻ってきたことにも驚いたのに、異国の者をメイドに連れてくるなんて」

「そうねえ、最近じゃあ、先代当主様も、サミュエル様の奥様も亡くなって不幸が続いたしねえ。ここに仕えていると、不思議と色んな事が起きるって噂だけは当たっているかもね」

「あ、そうそう!また、夜に青い炎で幽霊が出たらしいわよ!」

「嘘でしょ、またなの!?やだー、実家に帰るとき街で遊んでから帰りたかったのにー」

(・・・・・何の話してるのかな?)

メイドたちが言う、世間話の英語がよく聞き取れず、『幽霊』、『青い炎』しかツバキにはわからなかった。だから、屋敷の中を歩きながら異国の建物を見て歩いていたが、どれも珍しい物ばかりだった。

(スゴイ!ここでも初めて見るものばかりだわ。私たちの国とは全然違う・・!)

日本の畳や素材の味をそのまま出したかのような木材で造られた長屋、一軒家とは違い、この国の家の中は何か塗料を塗られているのか黒く光沢があった。そして、壁は何か唐草模様のような図柄が描かれている。どこを見ても細かな装飾が施されており、ずっと見てても飽きそうになかった。

だが、メイドたちが歩くと後ろにいるツバキに、さっきから何故かゴホゴホッと喉から咳が込み上げてくる。それに、鼻からは鼻尖をくすぐるかのように、なんだか鼻がムズムズしていた。

(なにこれ、ホコリ?喉にひっかてる感じがする・・・)

鼻からは、微かにかび臭い匂いがしており、屋敷のホコリが舞っているらしかった。

それに、よく回路の茶色に塗られている手すりには、よく見れば白い埃がうっすらと溜まっている。

それに、メイドたちの後を長いこと付いて歩いても、廊下ですれ違う人もおらず、自分たちが廊下を通り過ぎた場所を振り返れば、大きな屋敷の廊下は閑散とした空気が漂っていた。

(どうしてだろう?立派なお屋敷なのに、なんだか・・・人が少ない)

この広いお屋敷は装飾が細部にまでされており見た目は豪華に見えたのだが、静かすぎた。生気が感じ取れないのだった。

ツバキが足を止め、屋敷の中を眺めていると、ユーナとは別のメイドの一人から「こらこら、貴方はこっちよ。その服を着替えなきゃならないんだから」と言われた。

そしてメイドに手を握らされたまま、ツバキは再び屋敷の奥へと歩き出した。


                 ♢


ツバキは入浴場に案内されていた。裸にされると、女たちの手で、何かいい匂いがする液体を頭から足の爪先までこのメイドたちに洗われたのだ。

「ほらほら、動かないで。今、洗ってるんだから」

そう言って、女二人がかりで頭、身体をくまなく洗われ、湯で思いっきり汚れをおとされたのだった。

「やっぱりいいわねー子供の髪は。ほら、サラサラになったわよ」

ツバキの髪は大きな布で巻かれ、髪の毛の水分を取っていたいる間に、小さいサイズのメイド服を着るように言われた。

ファスナーとか、見たことない服の為、着替えるのに苦戦しているとユーナが手伝ってくれた。

「最初は教えるけど、しっかり仕事もこれから憶えていってね。いま、このお屋敷、人手不足なのよー」

その話を聞いてようやく納得したツバキだった。

(だから屋敷の中がホコリぽっかたんだ・・)

「あんたも偉いわね。こんなにも小さいのに英語喋れるなんて。誰から習ったの?」ユーナが服を着替えさせながら話しかけてきた。

「神父様です。わたしを育てました」

「見世物小屋にいたって聞いたけど、最初は?両親いたでしょ?」

ツバキは一生懸命に、拙い英語で、両親が死んで、神父様が引き取ってくれたことを説明した。そして、生きるために英語も教えてくれたこともこの方だった。

「そっか、あんたも苦労してるのね」

自分の話に可哀そうと悲嘆にくれず、本当に心の底から相槌を打つ、このユーナというメイドは話しやすく、すぐに打ち解けられそうだった。

そんな気がした。

「カイン様って、普段どんな人、ですか?」

「え!?カイン様??ど、どうしたの急に」

ツバキは、先ほどの玄関ホールでカインに睨まれたことを話した。

「日本語教えないと、私、お金返すの遅くなる。けど、相手、すごく嫌そうだったわたしのこと。できなかったら最悪、メイドだけでもいいって言われた。けど、いつ借金返せるかわからない・・。一生このままかもしれない」

「それって、あんたがカイン様に外国語教えれば、それだけ自由になれるのも早くなるって事?」

ユーナが自分の髪を梳かしながら聞いてきたので、ツバキは「そうです」と、答えながら頷いた。

「あ――そっか。わかったわ。ツバキ!アンタ、内緒にできる?」

「は、はい・・・・。」

ユーナの言葉の意味は分からなかったが、秘密の話をするということだろうか?

「セスティーナ様も裏で実権握ってるから厄介なんだけど、もっと厄介なのが、カイン様なの」

「どうしてですか?」

勉強のことをユーナは言ってるのだろうか?

先ほど居た少年、カインはたしかに鋭くこちらを見つめていたが、どことなく勉強はできそうな雰囲気を醸し出していた。

上品な衣服を身にまとっているぶん、賢そうな人だと、ツバキは最初カインを見た時に思たのだ。

ツバキが聞くと、ユーナはキョロキョロと辺りを見渡すとセレナに、

「いい、ツバキ?あんたがこれから、このお屋敷で生活するんだから内情を話すけれど、当主様とか雇い主様には言っちゃダメだからね?」と言って、身支度が済むとそのままツバキをすぐ傍の庭に案内し、屋敷のことについて説明してくれた。

ツバキにとっては難しい言葉もあり、理解するのに苦労したが、屋敷の庭の土に枝で描かれた絵と文が描かれたことで、話す内容は幾分理解できた。

ユーナの話はこうだった。

前当主のジェームズには3人の子供がいた。長男サミュエル、長女セスティーナ。そして、次男アンジェロ。

次男アンジェロには恋人がいたが、彼女は貧困街に住む平民。結婚を反対された男女は、遠くの地へと駆け落ちすることとなったと言う。

「まあ、こういうのは私達メイドから見ても、前当主様が言うのも無理はないわよね。階級社会なんだから、お家が発展するより、階級低い人間を招くことは、自分たちの権威を落しかねないわ」

そしてカインが生れ、数年後にご夫婦は流行り病で亡くなった。

その後、しばらくしてサミュエルの奥様も同じ流行り病で亡くなったことをツバキは知った。

男児の後継ぎがいないことに危機感を感じた前当主は、街で他の孤児たちと一緒に生活するカインを見つけ、サミュエルの養子として迎える。カインはすでに13歳だったという。

「お屋敷でのカイン様は、勉学に一生懸命で部屋に籠ってることが多いんだけれど、何かと叔母であるセスティナ―様とソリが合わなくてねー」

しばらくして、結婚した夫と共に日本へと出て行ったセスティナ―だったが、前当主のジェームズが亡くなられたあと、セスティーナ様が一年で離婚して帰ってきたという。

「しかも、セスティーナ様が異国の子供まで連れてきたんだから、こっちとしてはビックリしてるってわけよ。わかった?」

(わかったわ)

丁寧に話してくれたメイドに示したくて、ツバキは顔を頷かせた。

「しかも、猿犬の仲のセスティーナ様が、わざわざ、自分のために日本語の家庭教師を勝手に押し付けてきたから、カイン様は見ての通り、あの玄関でお怒りだったのよねー」

「じゃあ、私を睨んだ、のは、・・・」

「敵側が仕掛けてきたスパイかなんか、だと思ってるんだと思うわ」

「そんな・・・!」

ツバキはショックだった。

これから頑張って教えていくべき相手に最初から嫌われているなどと思いもしなかったのだ。これでは授業開始前から前途多難だ。

「どうしよう・・・。」

「なんかアドバイス的なことがあったら教えてあげたいんだけど、カイン様、使用人たちと一線を引いているというか、関わり合いが少ないのよねー」

「関りが少ない・・・?みんなの仲、悪いんですか?」

以前働いていた場所でも、決して皆が仲良いとは言えなかった。だが、やはり仕事を行う上では人間関係は大事だ。働く前に知っておきたい気分で、どうしても目の前のユーナにあれこれ聞いてしまう。

「仲はいいわよ?けど、カイン様、ここに来て二年間も勉強に熱心だから、使用人達と接点なさ過ぎなのよねー。だから、カイン様以外のことだったら、使用人のみんな手伝えると思うんだけど」

ユーナはそう言って、苦笑いするばかりだった。ユーナの手に引かれ、庭から戻ると、背の高い男性の人が立っていた。彼は執事のセインという人物で、当主様たちがいる談話室に案内するという。ツバキはメイド服へと着替えた自分を始めて見せるのが貴族であることに緊張したが、この執事の後をついていくのだった。

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