第2章 8話

「「... 着いた。」」

日付にして約3日。食料も、弾丸も、底をつきそうだった。目の先にあるのは敵司令部。目標はこれの破壊だ。草むらに身を潜め後の二人の到着を待つ。


「... ボルネシア!ロイ!」

小さな声が遠くから聞こえる。ノルタとセザンヌだ。二人とも、接戦だったのか赤い液体まみれ。

セザンヌの楽しそうな顔から、怪我は負っていないそう。安心した。

「準備出来た?ボル」

セザンヌの問い掛けに答えるように、私はリュックのなかの爆弾を手にとり見せた。司令部の爆破とは、かなり思い立った行動と自分でも思うが、方法は他にあるまい。

合図をし、中に突入する。ギリギリまで音をたてず、息をそろえて一斉に立ち上がる。


「... いない」

装置が立ち並らんでいることを目視することが出来る。しかし、肝心の敵が一体もいないのだ。


遠隔など行っても、ここが壊れたら意味がない。

ここにいた奴らも戦線へ行ってしまったのか...?


「ねぇ、これ動かせるの?ノルタ」セザンヌが装置の近くにかけより、まじまじと見つめる。

「触ったらだめだよ、セザンヌ。」

「こら、あんま動くな。バレたらどうする。」

自信もドアの近くから来ていないことを確認し、装置に近づく。

なにも機能していないようだ。機械音がしない。


「... 始めるか。」

リュックから、簡易爆弾を取り出そうとした、そのときだった。

「ボルネシア!上!」

途端、頭上の柵が壊れ、見慣れた機械が飛び出してきた。くそ、はめられた!


数にして10、出口は塞がれている。

簡易爆弾に火花でも飛び散ったら、ひとたまりもない。となると、銃は使えないことになる。ここからは、手持ちのナイフで殺るしかない...






「ちょっとどいてっ!」

ふと、頭上から子供の声が聞こえた。


「... カエデ!?」

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