救いがないのではない。それそものもが救いなのである。

『全ての争い』を無くす為。
なかなか理解されにくい理想を掲げて剣を血に染める『世界』のヒーロー。
仲間もい散り、やっとの思いで世界中の魔王を斃した後、彼は気づいてしまう。

『争い』を無くすためには──

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哲学か、禅問答か、押し問答かイタチごっこか。
ただの観点の違いと言われればそれまでなのかもしれないが、もっと単純に物事を見てしまえば。

彼が目指すものは、ただ純粋で無垢なのだと思う。
幼子のように。

私たちの方が、誰かの思惑と自分の打算に薄汚れているのかもしれない。

そう、考えさせられる、ハードなお話です。