透徹した問答に息をのむ

仏教好きには、あまりに有名な「梵天勧請」のシーンが、このような鮮やかな一幕に仕上がっていて、思わずニヤリとしてしまう。

神であっても、いまだ悟りの境地には程遠い梵天が人を見下すところは、人間よりも人間らしくもあり、どこか可愛くもある。

このエピソードにより、布教をためらっていたブッダが人に教えを施すことになるのだが、こう見ると梵天の懇請が涅槃に消え入ろうとしていたブッダの心を動かしたことがわかりやすい。

切り詰められた二者の問答も素晴らしい。

ふと、じっさいも、こんなふうであったのではないかと思わせる良作です!