風吹けば桶の底にてクピド哭く

日本国全ての鶏に降って沸いたる災禍…そこから始まる、悲劇的な喜劇、或いは喜劇的な悲劇の連鎖。笑い涙誘う蛙の受難。逆とんとん拍子とでも言いたくなるような、奇にして妙の糸車で紡がれてゆくこの物語は、もはや風吹けば桶屋儲かる…どころではない。病の風の舐めた全てが、狂ったように躍りながら、最後の「三分間」へと収束してゆく、崩壊のカタルシスをご賞味あれ。

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