第6話  放送で呼び出された

「逃げ切れたか?」

今、俺はまた先輩達から逃げているところだ。なぜ逃げているかって?

それは...部活に行きたくないからだ!ということで今日も全力で逃げてやる!



俺は無事に先輩達から逃げ切れ教室のイスに座っている。

「よう、晴人はるとじゃないか。」

いきなり声をかけられた。俺は恐る恐る振り返るとそこにはまことが立っていた。

「なんだお前か、ビックリさせんなよ。」

「どうしたんだ?そんな疲れた顔して?」

「今日も、先輩達から追いかけられて...。」

「何でそんなに行きたくないんだ?」


真は、不思議そうに聞いてきた。

「正直に言ってめんどいからだ!」

真は呆れた顔で言ってきた。

「お前...あの学校のアイドルがいる部活だろ。普通の奴は絶対に休まず行くぞ。それなのにお前は...。」


「それでも、めんどいんだよ。」

俺はそう言ったが、溜め息をつかれた。


そんな話をしていると放送が流れた。


「部活動中にすみません。一年A組、一条晴人さん今すぐ校長室に来てください。繰り返します......。」


俺は顔を青ざめさせながら言った。

「俺、悪いことしたっけ?」

「したから呼び出されたんじゃね?ていうか校長室って何したんだよ。ハハハ!」

真は他人事のように言っていた。まぁ、真からしたら他人事か...。

俺は睨みつけたが、ニヤニヤしたまま言ってきた。

「まぁ頑張れ!」




俺は今、校長室の前に立っている。

「はあ...。俺なにかしたっけ?」

ここに来るまで考え続けていたが何も心当たりがなかった。いや、一つだけあったそれは部活をいつもサボろうとしていることだ。


「行くしかないか...。1年A組、一条晴人です。入っても宜しいでしょうか?」


すると中から渋い声で一言

「入れ。」


うわー入る気なくなるわー。帰っていいかな?いいよね?諦めていこ...。

「失礼します...。」

入るとそこは、意外にも普通の部屋だった。いや、普通じゃないとおかしいか

一様、校長室だし。




今俺の前には校長先生がいます。入って10分経ちましたが何も喋ってくれずに、

ずーっと睨まれています。いや、何なんだよ?無言で睨まれるのってメチャクチャ怖いんですけど!


するとついに校長先生が口を開けた。

「さて、今日はなぜ呼び出されたと思う?」

わかるかボケ!わかったら行きたくないなーとか思うか!

そうとは言わず、もうちょっとオブラートに言った。

「いえ、わかりません。」

「そうか...。なら教えてやろう。なぜ呼び出されたかと言うと、

それは......部活に来ないからだ!」


「ええーっ!いやいやなんでですか?なぜ校長先生が言うんですか?顧問の先生に言わせないんですか?」

俺は、混乱して気になった事を聞いた。すると、

「それはだな!部活の顧問が私だからだっ!」

「ええーっ!校長先生が顧問なんですか!」

俺はビックリして、イスから落ちそうになった。


「そうだ!と言うことで部活に行こうか?もちろん、拒否権はないぞ?」

そう、校長先生は悪い顔をしながら言ってきた。ていうか顔、笑っていないか?


そして、今日も捕まってしまった......。


明日こそ行かないぞ!



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る