世界のえぐり出し方が、ただただ見事

「7歳までは神のうち」という言葉、あるいは「七五三」という文化をご存知でしょうか?
ほんの数十年前までは今より食糧が少なく医療や衛生環境が不十分なのが当たり前の時代でした。そんな中で子どもというのは非常に無くなりやすく、7歳までの死亡率が高かったのです。そのような時代の中で3歳、5歳、7歳は子どもが健やかに育った節目の歳として祝われ、その後の健やかな成長も祈願されてきました。

このように子どもというのはいわば極めて存在が希薄で世界との境界が曖昧ないきものです。
この作品では(テーマは違いますが)、存在としての子どもの危うさやイノセントさが見事過ぎるほどにえぐり出されています。

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