CosMOS ~家族で紡ぐ惑星戦記~

螢音 芳

レポート集 (用語集 Chapter.1)

※レポート作成者よりコメント

オービスに転移して以降、新たな発見が多く、同時に未解明なことも増えてきたためにどこまで自身が理解できているのかを把握するためにレポートを作成することにした。

個人的な意見や推測も交えているため、厳密なレポートとは言い難いが、そのことを踏まえて読んでいただきたい。

この情報の整理が遠くない未来、新たな可能性につながることを期待している。



○フェアリスについて

フェアリス、惑星オービスに住む精神生命体を言う。

肉体の欲から解放し、生命として精神の進化を果たすため、肉体を捨てた種族である。どのくらい昔に肉体を捨て、現在の状態になったのかは当人達にも不明とのこと。

時間、距離の制限がなく、年をとって成長することもなく、物理的な壁や障害など関係なく惑星、宇宙空間、それこそ星系を越えて移動できる。

物理的干渉はできないものの、地球でいうスパコン並の演算能力と、元素変換、思念波による意思の伝達、そして精神操作という特殊技能を持つ。ただ、個体差があり、得手不得手がある。

人間を利用し、精神操作を繰り返すうちに失っていた支配欲、野心、権力欲など様々な感情が爆発的に増加してしまい、惑星オービスを自分たちの遊技場、代理戦争の場としてしまった。

精神操作を嫌ったフェアリスの一部が、エイジスに逃れたという経緯がある。

まだ進化の途中の段階の種族であるがゆえに、惑星オービスと精神的に結びついており、惑星が死ぬとき、フェアリスも滅びるという宿命を抱えている(首長より聴取。説明時に本人よりこの件は不明瞭な点が多いと前置きされた。他のフェアリスにも確認する必要があり)。

ちなみに、精神体は人の目に可視化できないが、フェアリスは人の目に可視化できるよう周囲の元素を調整している。だが、実体がないことに変わりはない。



○人類について

人類、ヒューマン、地球に住む種族。

フェアリスから見ると、精神体を持ちつつも、肉体がないと意志を持った活動ができない肉体生命体とのこと。ちなみに、フェアリスは肉体がなくとも活動ができるので対照的に精神生命体と名乗っている。

フェアリスの怒りを買ったために、地球に肉体を残したまま、精神体のみ惑星オービスに運ばれ、フェアリスによって作られた肉体で生活している。

地球に戻す時のことを考えて、老化、栄養補給の必要性、排泄の必要性がないように調整されている。

肉体的に死んでも、フェアリスによって肉体を復元してもらって精神体を結び付けてもらえば再び活動できるようになっている(この現象をロストという)。

ちなみに、人類が保持している記憶は情報量が多く、保存が困難とのこと。そのため、精神体単独では保持できず、復活させずに放置する時間が長いほど長期間の記憶が失われてしまう。肉体が死んだあとすぐに復活させてもある程度記憶を失ってしまい、その量には差がある。特に肉体感覚で得た経験、例えばプロームの操縦の経験は大きく損なわれやすくなっている。



○精神体について

精神体とは、フェアリス、人類共通して持っているものである。フェアリスの説明から推察するに人類側の定義からすると霊魂のようなものと考える(この単語の定義については慎重になる必要があるため、あくまで暫定的な捉え方とする)。



○プロームについて

フェアリスがケイオスに対抗するためにオリハルコン(後述あり)を活用して作り出した兵器全般を指す。

語源は、プロキシー・フォーム、“ 代理する形”から来ている。

基本的に言われるプロームとは人型の形の物を指し、大きさは機体にもよるが平均して7メートル程度である。

フェアリスが地球に降り立った時に見たアニメやゲームからヒントを得て作成された。ここまで書くと、とても間の抜けた話に聞こえるが、実はこの発想は理にかなっており、4足歩行の強襲型、飛行型、植物型など多様な進化形態をとるケイオスに対して様々な武装で対応し、機動性を生かして臨機応変に撃破できることを考えると、効率的な選択であったと言える。

コアについて硬度化が進むと予測されており、それ以上の硬度をもつ金属によって衝撃を与えないといけないという試算からも、近接戦闘ができるプロームは先を見越した開発であったといえた。テラプロームについては、やりすぎの感がいなめないが…。


プロームの本体は、機体部分ではなく、実は武装部分である。銃器型、刀身型どちらにも精神感応金属「オリハルコン」という金属が用いられており、この金属は硬度が高いだけでなく、記憶、質量の圧縮保存という特性を持つ。

プローム機体の情報を質量ごと圧縮して保存。特定の人物が特定のワードを言うことによって、保存されていた質量と形態が展開し、瞬時にプローム機体になるようになっている。

ちなみに、プローム機が破壊されたり、脚部の破壊や中枢伝達系などの破損により戦闘不能となった場合には、即座に質量の結合が解除され、新たに記憶できるようにプログラム化されている。

素体に使用されているオリハルコンの大きさによって機体が保有できるエネルギー量が変化すると言う仮説や、同じオリハルコンを同じ所有者が長く使用することによって記憶できる容量が変わるという仮説もあり、未解明なことも多い。


本来、フェアリスがプロームを用いてケイオスに対抗するはずだったのだが、動かすことができなかったため、地球人にゲームで学習させてから救援を依頼する、という形にした。その後、集積回路、人で言う脳のように指令を伝達する機構があればフェアリスが宿ることで動かせることを地球で発見した。しかし、集積回路を構成する半導体の素材のほとんどはケイ素が中心であり、発動した集積回路にケイオスが呼び寄せられ、テラプロームが乗っ取られるという事件が起きた。そのことより、フェアリスは自身で戦う手段をとることを避けるようになった、という経緯がある。



○ケイオスについて

ケイ素性無精神生命体。精神体がないにも関わらず、自立活動する生命体のこと。感情、意思はないものの、生命の危機や繁殖本能はあるらしく、環境に対する適応能力が高い。

特筆すべきはその進化速度で、環境刺激を受けて外敵排除のための強襲型、巨人型などのさまざまな形態へと進化する。

ケイ素性無精神生命体というだけあり、その本質はケイ素で構成されている。コアから活動エネルギーを得た個体が活動する形をとっている。その目的は繁殖とそのための環境の変化であり、周囲の環境をケイ素に変換しようとする性質と、ケイオス以外の生命体を排除しようとする性質がある。フェアリスに対しては、互いに干渉できない関係であり、ケイオスはフェアリスに対して排除行動はとらない。しかし、人間や搭乗するプローム機、居住地は繁殖を妨げる外敵とみなし、攻撃してくる。

ケイオスは凝集性という特性ももち、仲間の数が減ると、近隣の仲間を呼び寄せ、集合し危機的環境に適した進化を遂げようとする。ケートス奪還の際に、巨人型に凝集しケイオスと遭遇したが、それは列島のケイオスを駆逐してきたために、残った孤島にケイオスが凝集して起きたと考えられる。



○感応能力について

フェアリスと人間の精神体が触れ合うことによって生まれる特異能力のこと。

娘とあるフェアリスが合意のよって触れ合うことで意図的にテレパスに似た超能力を互いに獲得した。

感応能力については、フェアリス側も不明瞭なものが多く、人体側にもどのような影響が出るかは不明とのことで、引き続き観測が必要である。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る