第8話 協力してもらおうよ。

クール美少女と迷探偵の2人から問い詰められてる頃、生田はある人の所へと向かっていた。


コンコンコンッ



ガチャリ


扉を開けるとこちらに背を向けた1人の女性が長椅子に座っていた。


「失礼します。

……いらしてたんですね」



「お、その声は生田かい?」


その女性は振り返り、被っていた帽子のツバを上げて生田を見ると、ニカッと笑った。


「久しぶりだね、生田」


久しぶりに聞くその声に、懐かしさと嬉しさが生田の胸に込み上げてきた。



「お久しぶりです、生駒さん」



———————————————————


「絶対、新人マネージャーじゃないと思うん

だけど」


「いやいや、どう見てもマネージャーさんっ

ぽいじゃん。

雰囲気とかtheマネージャーって感じ」



相変わらずの迷推理を繰り広げる未央奈さん

と、その迷推理に困惑する飛鳥さん


(マネージャーじゃないんだけとなぁ……)


この状況に困惑する僕。


なんとかこの状況を打破しなければ……



「そういえば飛鳥、リュック探してなかっ

た?」


思い出したかのように未央奈が言った。


「え、あぁ、うん。

探してるけど」


それを聞いてニヤリと笑う未央奈。


「じゃあ、この人にも協力してもらおうよ」


「え……」


ゆっくりとこちらを見る星野飛鳥

完全に引いてる顔だ。


「え……?

僕……ですか?」


突然の提案にキョトンとする僕。



(と、とんでもない提案をしてくるな……)



「絶対に無理!!!」


食い気味に全力否定してくる星野飛鳥


「なんで素性の知らない人と一緒に探さない

といけないの!?」


「だから、僕、本当に招待されてるだけで

新人マネージャーじゃないですから……

勝手に動くと生田さんの迷惑になっちゃい

ますし……」


2人の言い訳を聞いた未央奈はハァ…っとため息をつく。

かと思うと突然僕にむかってビシッと人差し指を向けてきた。


「まず、貴方!

もし、たとえマネージャーじゃないとして

も困ってる女性がいたら助けるのが普通で

しょうが!」


西野麻衣さんを助けたからここに居るんですけどね…って思ったけど未央奈さんの大きな瞳で睨まれたら今はそんなことは口には出さない方が良さそうだ。


さらに北野未央奈の人差し指はビシッと星野飛鳥を指差した。


「飛鳥も、人を疑ってばかりじゃダメでし

ょ!

それにもうすぐ打ち合わせが始まるし、

今は急いで探した方が良いんじゃない?」


「そりゃ……そうだけども……」


北野未央奈の意外な正論に2人とも返す言葉が無かった。



納得のいかない2人を他所に、未央奈は満足気に言ったのだった。


「よし、じゃあ決まりって事で!

早速行きましょう!」





































































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