第40話 7か月

9月10日で、アキレス腱を断裂してから7か月を迎えた。

O先生もU先生も

「長いですね~」

いえいえ、それは、私のセルフです。

週3日のリハビリは欠かさない。

まだ、ツッパリ感や痛みがあるからだ。

それでも、歩幅が少しは広くなった。

最近、リハビリに幼い子供が結構いる。

3歳、4歳くらいの子供が運動療法や電気治療を受けている。

もちろん、側には親がついているから、

結構な人数がいるようだが、実際の患者はそれほどでもない。

ただ、あんな小さな子が、何の治療なのだろう。

私が子供の頃に整形外科ってあったかな?

ケガでもしない限り、足や膝、肩が痛いと言って病院に行くことはなかったと思う。

成長過程だから、様子見も必要だろうが、

医師は、患者には、それなりの対処を行う。

当然のことだが、治療するほどなのかな。

骨折や靭帯を切ったなどは、見れば分かる。

松葉杖をついている子供を見ると愛おしい。

息子が、1歳半くらいの時、突然歩けなくなった。

立ち上がるが、すぐに膝から崩れ落ちる。

1歩も歩けない。

痛がるわけでも、泣くわけでもないが、歩けない。

どこの病院に行けばいいか分からなかったので、

取り敢えず、小児科に行ってみた。

股関節などには問題がない。

特に男の子は、X線が将来の生殖活動に影響が出るとして、

レントゲン撮影は出来ないとのこと。

2、3日様子をみようということになった。

痛がるとか、泣くとかあれば、すぐに受診するように言われた。

原因も何も分からないまま、息子を抱いて家に戻った。

実家の母が来ていたので、その話をすると

「このまま歩けなかったら、可愛そう、私が、変わってやりたい。」

と言って、2人で泣いた。

息子は、座っておもちゃで楽しそうにしていた。

1,2時間経って、ふと気づいた。

息子が、走っているではないか。

「歩けるの?」

思わず、息子に駆け寄る。

両手で支えて、手を離してみる。

ここで、膝から崩れ落ちていたのだが、ちゃんと立っている。

「お母さん、歩けるようになったよ。」

母も驚きながらも喜んでいた。

「良かったな~」

息子は、何も分からず、ニコニコ笑っていた。

それから、歩けなくなることはなかった。

心配な親の気持ちはよく分かる。

どこまでが、疾病なのだろうか。

どれくらいまでが、我慢すべき痛みなのか。

私は、ギリギリまで我慢するタイプ。

我慢し過ぎるのも良くないらしい。

さて、あと何か月で普通に歩けるのかな。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る