バッドエンド‥‥‥

本田 そう

バッドエンド‥‥‥

ーーー俺は何の為に生きて来たんだろう?

俺はこの世界で何をのこせたんだろうか?ーー‥‥‥


理不尽すぎるんだ!この世界は!

頑張っても報われない。努力したって報われない。何故、口先だけの奴が良い目をするんだ!

報われない!報われない!報われない!

いつまで続くんだ、この苦しみは!


ーーーだから俺は‥‥‥自ら命を絶った。


人はそれを自殺と言う。


自ら命を絶つ者は、来世では、ろくな物に生まれ変われないと教えられたが‥‥‥

そうではなかった。

また人として生まれ変われた。魔法を使える人として。誰もが使える事が無い、強大魔法を使える魔法使いとして。



ーーーそして、生まれ変わり、何年かの歳月の時が流れたーーー‥‥‥



俺は隣国と戦争をしている、ある国の最終防衛ラインに立っていた。

隣国とは、何百年の長きに渡り、争いをしていたが‥‥‥



「どうやら今回の戦いで、決着がつきそうだな」



明らかに俺達の国の方が優勢だった。

だが、隣国に忍び込んだスパイからの暗号が気掛かりだった。



『切り札は、フクロウ』



切り札とは?

フクロウとは?

これは、何を意味する事なのだろうか?




その答えは、隣国が落ちる寸前の時わかった。

隣国は、俺達の国に支配されるよりわと、自ら自国を地に沈めた。

その時に、空に五本の光る巨大な矢の様な物が放たれた。

それは俺達の国目掛けて飛んでくる。


あまりの猛スピードで前衛部隊の武器や魔法でも歯が立たず、後方部隊の俺達、魔法使いの部隊に役が回ってきた。

魔法で応戦するも、アレには魔法を無効化する魔法が張り巡らせていた。

そして、俺の上空を通過するアレを見た時、そして正体がわかった時には‥‥‥時すでに遅しと、俺の前世の記憶が叫んだ。



「あれがフクロウ‥‥‥奴らの切り札のフクロウか!」



それは俺達の上空を瞬く間に飛び去っていった。



ーーーあれは‥‥‥ミサイル!ーーー



隣国はミサイルを開発していた。隣国にも前世の記憶を持った者がいたのだ。そしてミサイルをフクロウと名付けていたのだ。



ーーー切り札は、フクロウーーー



この隣国の暗号が わかった時には、既に遅かった。

猛スピードで飛んで行くミサイルに、俺達、後方部隊の魔法使いは成すずべもなかった。

俺の周りに居た奴らは、あれが何なのか分からず、ただ呆然と空を見上げていた。


そして‥‥‥


そのミサイルは‥‥‥俺達の王都と周辺に‥‥着弾。


そして‥‥‥俺は叫んだ!



ーーー核爆弾ーーー



一瞬、照明弾の様な閃光が辺りを照らす。

その後数秒で、俺達は爆風に飲み込まれた。

俺はあれが何なのかを知っていた為、俺は魔法で防御壁を張ったが、周りにいた仲間は間に合わず、爆風と熱風で吹き飛ばされた。

爆風で体は千切れ、熱風で体が全て燃えつくす。

そして‥‥‥五本のキノコ雲が、俺の目の前に、俺達が住んでいた国に舞い上がった。

俺達は‥‥‥いや、俺を除いて‥‥‥全ての人達は



ーーー死んだーーー



俺はこの世界で、一人生き残ってしまった。

あの世界では、自ら命を絶った俺が‥‥‥。





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