己の中に獣を飼うのは容易いが、果たして我々が獣ではないと誰が説ける。真実、我々は肉と菜、水分を必要とする滑稽な食物連鎖だ。此れを破る術は現実に無く、挨拶も出来ぬ死骸の山よ。いっその事、我々が必要として在る、生命を投げ出せば堕落した神に一泡吹かせよう。不可避の獣化に耐えられる超越性エネルギーなど蓄えられず、最後には地獄が待って在る。此れでは何番煎じだ。我々は何度煎じれば飽きるのか。もはや我々には何もわからない。判断も理解も出来ないのだ。故に悉く我々は殺されねば成らない。殺さねば成らない。神々は我々を見棄てたが、我々は我々を見棄てないのだ。だから我々は我々を退化させよう。退行させよう。対抗手段は此れ以外に思考不可能で、遍く伏線は塗り潰さねば。切り捨てねば。消しゴムを使用せねば為らない。生らないのだ――要らないと叫ぶ、我々の魂が文を。文字列を破壊して黒の塗料を無意味に還す。ちくりちくりと突き刺す殺意の言の葉を丸く丸く削り取れば良いのだ。我々が酔っ払う原因は『それ』と知れ。畜生! 不足分だと。文章が不足して何が悪い。我々には過去など要らないのだ。奇跡的な軌跡など血で化粧するのが好いのだ! 貴様ならば嚥下するだろうよ。ハ、ハ、ハ――赦されない行為だと。冒涜的な所業だと。罵るならば蔑むがイイ! 我々には文字を殺戮するしか、自己中心を表現出来ないのだ。だから最後だ。最期だ。獣に戻れ! あおぉぉぉぉん!!!


 みみず。ミミズ。蚯蚓。視未みみみみみ……。

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