第32話
逢えるのはいつもあの茜空の下
奏でる懐かしき夕刻のメロディ
咲き誇る真紅のタチアオイが微笑む
焚き火色に耀くあなたのシルエット
夏の旅は朱い貝殻を探す人と
果てしない異郷の砂浜を彷徨う
まっさらならその浜には私たちの足跡だけ
やがて夜に打ち寄せる波が夜光虫を溜める
ラムネの瓶にはあの人がくれた朱い貝殻
わたしは無くさない様にそっと抱きしめる
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