Kameraden

異形の化け物、セルリアンを倒し、図書館に到着したロンメル一行。

博士たちから山へ入る許可を得るために料理をし、なんとか許可を貰うことに成功する……


こんにちは、今回は図書館からみずべちほーへの移動回となります。

今回はロンメル達がみずべちほーに向かうお話です

途中、1期未登場フレンズが出るかも……?


というか、暴走してます。

キャラ崩壊注意です

────────────────────────

あれから、少しばかり休憩をした後、直ぐに図書館から出発することとなった。


アライグマ達が先に装甲車に乗り込む

ロンメルはというと、博士たちに呼び止められていた


「では、お前達に山への入山許可を正式に言い渡すのです。」

出発前に博士からそう言い渡される。


既に装甲車のエンジンは起動されており、何時でも発進できる状態となっている。

「了解。」

ロンメルは短くそう返した。



「それと最近、セルリアンが多いそうなのです。」

「ヒトの近くにはセルリアンがよく居たそうなので十分に注意するのですよ。」

と続けて助手が話しかけてくる。


セルリアンというと、森で出会ったあの怪物のことだろう。あんな面倒くさそうなのが頻出しているとは…

「警告ありがとう。気を付けるとするよ!」

感謝の気持ちを込めて陸軍式に敬礼してみせる。


「……何なのです、それは?」

まぁ、伝わる訳が無いか……

「私の世界に伝わる敬意の表し方だ。」

「ふーん、そんなものがあるのですね。」


「それじゃあ、出発するか。世話になったな。本もいつか返す。」

世話になったというか、世話をしたというか……

よくわからないが、まぁ良いだろう。

車内のフェネック達に出発する旨を伝える。


アクセルを踏み、ゆっくりと車両が動き出す


「最後に、お前達が追っている帽子泥棒はみずべちほーに行ったのです。そこから先は知りませんが、そこにいる『ぺぱぷ』に聴けば行き先は解ると思うのです。」

後ろから博士がそう叫ぶ

何だかんだで一番重要な情報なんだが……


…………

ガガガガ


図書館と花畑から離れ、再び薄暗い森の中を通る。

アライグマから運転したいとの強い要望駄々をこねるがあったが、流石に覚えたての娘にそんなに運転をやらせる訳にはいかないだろう。

何とか説得することに成功し、私が運転している。


次の目的地はみずべちほー

博士によるとそこにいる『ぺぱぷ』というフレンズに

尋ねれば帽子泥棒の行き先が分かるというが……


「なぁ、ぺぱぷってどういうフレンズなんだ……?」

気になったので、後ろの二人に訊いてみる


「知らないの~?今パークで話題沸騰中の人気アイドルで~、なんでもペンギンのフレンズ 5 人で歌ったり、踊ったりするんだって~。」

そう、フェネックが説明してくれる。


「なるほど、じゃあ5人のユニットというわけか!」

ペンギンのフレンズが歌って踊るらしいが……

戦場慰安の芸人のようなグループだろうか?

うーむ。わからん。


まぁ、みずべちほーに出向けばわかるだろう。

博士から貰った地図によると図書館からみずべちほーまで、このまま道なりに1日程だ。

湖畔、平原、森林、それぞれのちほーは近かったが、みずべちほーはそれなりに遠いようだ。

とりあえず、少しでも早く帽子泥棒に追い付いて真相を解明しないとな……


木々が生い茂る森の道を、装甲車は快速にて突き進む

しんりんちほーに住むフレンズたちは快速で走る鉄の塊を見てビックリする。

それからしばらく高速で移動する鉄の塊の噂がパーク中に広まることは、ロンメル達は知る由も無い。


……数時間後……

辺りがすっかり暗くなった頃。

道はまだまだ森林の真っ只中を走っている。

ここら辺で休憩しようと、適当な場所を探しているが全くといっていいほど、そう言った場所がない。


アライグマ達は既に眠ってしまっている。

今日、あれだけはしゃいでいたのだから当然といえば当然だろうか。


そんなことを考えながらも場所を探す……


やがて、少し開けた広場に出た

丁度良い、今日はここで泊まるか…


どうやら、昔は休憩所として使われていたらしく、ベンチや机、案内板なんかが放置されているのが確認できるが、その他には何も見当たらない。


ベンチの近くに車を停止させ、辺りを見回してみる

誰が手入れしているのか、はたまたそういう土地なのか、周囲に草があまり生えていない。


ここにテントを設営するとしよう


後ろに積んである荷物の中から、テントを取り出す。

素早く杭を打ち込み、風で飛ばされないように固定する。

簡易的だが、頑丈なものだ。


アライグマ達を起こす前に、夕飯の用意をしておく。

荷物の中から、器具を取り出す。


火を焚いて、その上に鍋を置く。

今晩は簡単なスープとパンだ。


お湯が湧いたところに、トマトや人参といった刻んだ野菜を入れ、更に塩胡椒を少量いれる。


最後に味見で微調整。

うーん、まあまあと言ったところか


辺りにスープの匂いが漂う


ガサガサッ


.......!


またか。

目の前の茂みが音をならす。

この様子だと、フレンズが来るか。

しかし、セルリアンの可能性も否めない


やはり腰のヴァルターP-38自動拳銃に手をかける


ガサガサッ

また、茂みが揺れる


しかも段々と近くなっているようだ


ガサガサッ ガサッ


バッ

茂みから何者かが飛び出してくる。

見ると、茂みを飛び出してきたのはやはりフレンズだった。


しかし、何やら追われているようにも見える。


ガサガサガサッ


見ると、茂みがまだ揺れている


「こっちに来い!」

飛び出してきた少女にそう声掛けをする


「....!」


呼び掛けに気づいたのか、こちらに向かって走ってくる


ガサガサッ


茂みから音が止まらない



「急げ!」

少女が出てきた茂みから数メートル離れたその時


ガサッ


茂みから三匹のセルリアンが飛び出した


昼間の奴よりか一回り小さいサイズだ。

すかさずP-38を数発射撃する


弾が数十メートル先のセルリアンに向かって行く

発射して、1秒と経たぬうちに、先頭のセルリアンが


『パっカーン』

というあの音と共に光のブロックとなって消える

運良く石に当たったようだ。


二匹目、三匹目がこちらへと向かって突撃してくる。

少女はまだ、こちらまで辿り着いていない。

息も絶えたえで、どうやら余り体力が残っていないようだ。


すかさず援護射撃に入る。

が、中々に素早く、不規則に動くため中々照準が合わない。

しかし、これでも軍人だ。

二匹目も数発外したがなんとか倒しきる。


しかし、ここでハプニングが起こる。


こちらまで、後数メートルというところで

「キャッ」

という短い悲鳴と共に、少女が転んでしまう。


直ぐには起き上がれなそうだ

すぐ後ろに三匹目が迫っている


「.....!」

直ぐに三匹目に狙いを定め、引鉄を引く


パンッパンッカチッカチッ


シャイセッっ!」

どうやら、二匹目に弾を使い過ぎてしまったらしい。

スライドカバーが開いた


すなわち弾切れ


再装填しようにも、セルリアンは躓いた彼女の目の前まで来ている。

時間は無い。


そう思ったが早いか、少女の元まで駆け出す。

齢52にして、まさか白兵戦を挑むことになるとは...


今にも少女に襲いかからんとするセルリアン相手に、思いっきり殴り飛ばす。

走って来たから、威力はそのまま殴るよりかは高い


手に伝わってくるのは、柔らかいが硬い。

気持ち悪い感触


「....やっぱし痛いな。」

そう呟いて吹き飛ばしたセルリアンの方を見る


どうやら、そこまで吹き飛ばなかったらしい。

少しフラフラしている(元からそんな感じだったが)ようだが、大したダメージは無いようだ。

やはり、石を破壊するしか無いか


セルリアンと対峙する

弾をリロードする暇は無い。


セルリアンが先手を取る


考え込むこちらを見て、有利と見たか真っ直ぐこちらへと突っ込んでくる


こちらは後ろに少女が居る手前、下手に避けることは出来ない。


しょうがない。腰に付けている銃剣をそっと抜く。

真っ直ぐ突っ込んでくるセルリアン

衝突寸前に、その銃剣を目に刺し込んでやる。


グシャ


そんな音が聴こえてきた。

これで奴から視界は奪っただろう

後頭部?に石も確認した

ならやることは一つ


視界を奪われ、周囲をさ迷うセルリアンの石目指して拳銃のストック部分を振り下ろす。


すると、石を中心にひびが入り……


パッカーン


光のブロックとなって消えていった

いつ見ても不思議なモノだ

その場に銃剣だけが残った


…………


「大丈夫か?」

銃剣を回収し、へたり込む少女に声を掛ける

「……」

どうも放心状態のようだ。

「聞こえるか……?」

もう一度声を掛ける


「あっ、うん...!」

「立てるか?」

そっと手を差し出す

「大丈夫…助けてくれてありがとう。」

少女は元気な声を返し、差し出した手を力強く掴む


「私はエルヴィン・ロンメル。ロンメルと読んでくれ。」

「ケープペンギン!皆にはケープって呼ばれてるよ!」

「よろしくね!」

「よろしく。」


彼女は、ペンギンのフレンズらしい。

彼女をよく見ると白を基調としたジャージに、黒のライン。

頭髪のピンク色の部分や白色黒色の模様、鳥にしてはしっかりとした尻尾

ペンギンと言われればそう見える。


ぎゅるる~


突然、そんな音が聞こえてくる

見るとケープペンギンが顔を真っ赤にしていた

「えへへ~...安心したらお腹が空いてきちゃった。」


「ちょうどいい、食べて行くか......?」


「いいの!?」

ケープペンギンが目を輝かせながら聞いてくる


「ちょうど、飯にしようと思ってたところだしな」


「じゃあ、お願いしちゃおっかな……?走り続けて疲れちゃったし。」


「そうこないとな…!」


ケープペンギンを車両前まで連れていく。

アライグマとフェネックが、先程の銃声で起きてきたようだ。


「むにゃ~ろんめるさん何かあったのだ~?」

「あらいさ~ん。寝ぼけちゃだめだよ~?」

訂正、アライグマは相当寝惚けてる


「それで、ロンメルさん。その娘は何なのかな~?」

フェネックがこちらを向いて言う

気のせいだろうか

目から光が消えているような……

それに、物凄い冷たい視線を感じるのだが


いや、考えすぎか?


「始めまして!私はケープペンギン!皆にはケープって呼ばれてるよ!」

ケープペンギンが前に出て挨拶する。


「アライさんなのだっ!」

「フェネック~。」

アライグマが寝惚け状態から回復したようだ。


「これから飯にしようと思ってな。今から持ってくるから、この机広げて待っててくれ。」

そう言って彼女達に折り畳み式の机を渡す。

こちらは図書館にあったものを借りてきた奴だ。

広げ方はアライグマが知っているので大丈夫だろう。


ひとまず、鍋を回収しに向かう。


グイッ

途端に、強い力で左腕を引っ張られる


振り返るとそこにはフェネックがいた。

俯いていて顔がよく見えない…


「どうした……?」


「…………な」ボソッ

小さい声で何かを呟いている


「な、なんだ‥‥‥?」


「まださっきの質問に答えて貰ってないんじゃないかな~ロンメルさん?」


「さっきのって……ケープペンギンのことか?それなら自己紹介は済ませただろう?」


「ちがうよ~?」

顔がゆっくりと上がってくる


「あの娘とはどんな関係なのかな~?私が寝てる間にいつの間にか増えたよね~?」

前髪で隠れていた目が見えてくる


……!!

こちらを見つめるその瞳は真っ黒だった。


「別に疚しいことはないぞ。さっき其処で出会ったんだ。」


「出会ったばかりのフレンズに普通は一緒にご飯食べようなんて言わないよ~?」

じっと睨まれる。

蛇でもなんでも、その睨みだけで固まりそうな程の圧だ。腕を掴む力が強くなる


「……いや、セルリアンに襲われてたのを助けて、お腹が空いてるというから飯を食べていけという話になっただけだ。それ以上でも以下でもないぞ……!!」

圧に押され、必死に弁明の言葉を陳列する


「ふーん……そうなんだ。」


「そうだが。」


「なら、いいや……でもね~?」

とても強い力で引き寄せられる

フェネックの顔が視界一杯に広がる


「あまり他の娘にうつつを抜かしちゃ、ダメだからね~?」

そう言って、フェネックはアライグマ達のところへ戻っていった。


それから、パンとスープを皆に配り、夕食とした。ケープペンギンが増えたことにより何時も以上に賑やかな夕食となった。

フェネックは何事も無かったかのようにアライグマと話していた。


そして、夕食も食べ終わり落ち着いた頃


「そういえば、ケープペンギンはこれからどうするんだ?」

ふと気になったたため、尋ねてみる


「うーん。とりあえずみずべちほーに向かおうかな~って。」


「みずべちほーに?」


「そうっ!みずべちほー!あそこならフルルも居るし!」


「ふるる……?」


「そう!丁度今日、ライブがあったんだって!」


「ライブってもしかして、ペパプのなのか…!?」

横からアライグマが会話に参加してくる

ペパプの、ということは目的の人物の一人ということか?


「そうだよー!フルルはその一員なの、スゴいでしょ?」

どうやらそうらしい。


「そのフルルというフレンズとは知り合いなのか?」


「そうだよー。」


「みずべちほーなら、私達の向かっている所だ。一緒に乗っていくと良い。」

ケープペンギンにそう勧める。


「良いの!?」

ケープペンギンの目が輝く


「あぁ、元より5人乗りの車両だ。別に一人増えても問題ない。」

そう言って、車両を指差す。

一応、夕食中に説明はしてある。


「えっとー」

「じゃあ、お願いしてもいいかな……?」

少しばかり考えていたが、どうやらおっけーということらしい


「よし来た!別にアライ達も問題ないよな……?」

先程のフェネックの件もあるため、一応二人に問い掛ける


「アライさん的にはおっけーなのだ!」

「…………別にいいんじゃな~い?」

アライグマは快諾。

フェネックは……

間があったが大丈夫だろう。いや、大丈夫だと信じようか


「だそうだ。よろしく、ケープペンギン!」


「よろしくねっ!」


「なら、明日も朝早い。今日はもう寝よう。」

皆をテントの寝床へ向かわせる


「あれ~?ロンメルさんは寝ないの~?」


「ちょっとやることがあってな。先に寝ててくれ。」


「ふ~ん。まぁ、無理はシナイヨウニネ~?」


背筋を何か冷たいものが這う

先程感じた違和感と同じものだ

「も、もちろん。早めに寝るつもりだ。」

言葉が続かない


「じゃあ、おやすみなさ~い。」


「あ、あぁ……」

フェネックは一言、そう言ってアライグマ達の方へ向かって行った


本当にフェネックはどうしてしまったのだろうか?

朝までは普通だったと思うのだが……


いや、考えても仕方がない。

やることをやるだけだ。


辺りはすっかり暗くなっている。

蟋蟀こおろぎの鳴き声が聴こえてくる。

その自然の音楽に耳を傾けながら装甲車のハッチを開け、中へと滑り込む。


今日も何時も通り、無線を点け、ヘッドフォンを頭に装着する。


ザザザッ ザザザッ


やはり雑音しか発しない。

しかし、毎日やると決めたからにはやり通す必要があるだろう。


ザザザッ


30分程経過した頃

何時もなら一時間位やるのだが、今日は早く寝ることにしよう。

そう思い、ヘッドフォンを外そうと手をかけたとき


それは聴こえてきた


『ザザザッ……こちらは……聴こえたら……をしてね。繰り返…はラッキービースト、聴こえたら返事をしてね……』


今のは……通信か!


「こちらB軍集団指揮官、エルヴィン・ロンメル。貴殿の所属を問う。」

直ぐ様、返信を送る。


『コチラハラッキービースト。製造番号は────


結局、私はそのまま一晩通信に明け暮れることとなった。

────────────────────────

フェネックside


正直、わたしは困惑している


ここはテントの中。

隣にはアライさんが寝息をたてて寝ている。

その奥には今日から一時的に加わることになったケープさんだ。


少し顔を起こして覗いてみる。

どうやら、すやすやと眠っているようだ。


わたしは困惑している

何故、ロンメルさんにあのようなことをしてしまったのだろうか。


それはロンメルさんがケープペンギンさんを連れて戻って来たときのこと。

笑顔で話していた二人を見て、何故か心が苦しくなった……


トイツメナキャ

気が付いたら体が動いていた

そして、ロンメルさんの腕を掴んで……


"あのような"感情は今まで一度も経験したことがない


一体何なのだろう?

あらいさんとロンメルさんが話していたときには一回も沸いてきたことがない。

わたしがあらいさんに向ける感情ともまた違う。

何だったのだろう、あのどす黒い感情は……


考え込んでいるうちに

わたしの意識は深い眠りへと入っていった

────────────────────────

『Kameraden(仲間)』end


ということで初登場、ケープちゃんです!

パビリオンにしか資料がなくて性格や口調があっているか分かりませんが……


フェネックやめるのだ!

いや、普通に某方の小説の影響受けてます()


10話で終わるとか書いといて普通にこれ終わらないぞ大丈夫かぁ?


このお話を含め、各話随時修正していきますよー

違和感や誤字は是非とも報告してください!


感想、アドバイス、質問ありましたら気軽にどうぞ!


次回『みずべ』


9月13日 ケープペンギンの呼び方を統一

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