第42話 はしゃぐ親父と母さん

 ジックリ見ると、親父も母さんも、俺と年が同じ位に見える。

 二人とも、気付いてる?13歳位に成ってるぞ!!

「おっ!!ミネルバロードに入れた興奮で、気付かなかった、母さん!可愛い!!!」

「えっ?そう言われると、あなたも可愛い!!!」

 しばらく二人して、可愛いって、誉め合ってる。


「おうっ!!!ここがトムの武器屋か!!」

「剣が一杯ね!!」

 親父は、銅の剣にアダンの実50個、母さんは、毒の短剣にアダンの実30個装備。

 鎧はやめて置きます、慣れないと動けなくなる。

 アダンの実カートリッジは、トムさん、サービスしてくれた。

「おい、チャラ、ワーム狩りに行くのか?」

「おうっ!!行って来る」

「悪ガキ3人で、無茶するんじゃ無いぞ!!」



「うふっ、悪ガキ3人って、私達の事ね、本当に子供に成ってる!!!楽しいね!!!」


「ワーム狩りに行くよ!!」

「おっ!!ワームか!!!」

「最初はワームですよね!!」


 太陽は中天、昼だな。

「夕方まで、ワーム狩りでLVを上げるよ!!」

「ああ、LV1では鑑定だけか」

「親父、鑑定スキル持ってるの?」

「登さん、私も鑑定有るわよ!!」

「良かった!!鑑定しながらワーム狩ると、いつ倒せるか分かり易いよ」

「ゲームと、同じようにやれば良いな!!」


 砂丘に到着、早速ワームが現れた。

 二人は、ワイワイ、キャッキャ、子供みたいに大ハシャギしながら、アダンの実を投げてる。

 ミネルバロード、やり込んだだけ有る、危なげの無い戦い方だな。

 LV3になると、俺が言う前に剣攻撃に変えてる。

 親父がLV6に、母さんはLV5に成ってる。

「あなた、ズルイ!!LVが上だわ!!、私が6になるまで、休んで居て!!!」

「いや、お前、それは無いだろ?」

「あなた!!!」

「はい、休んでいます」

「母さん、むきにならんでも、グラスドッグ狩りすれば、LVあっと言う間に上がるよ」

「登さん、それは、それ、このままじゃ悔しいでしょ」

「はい·····」

 母さんってこんなだったか?


「母さん、もうすぐ日が暮れるよ、続きは明日にしよ」

 むきになった母さんは、LV8に成ってる、ワーム狩るだけで、8って頑張り過ぎだよ。

 親父も、意地になってLV7に、明日のグラスドッグ狩り、思いやられるよ!!

「あっ親父に母さん、13歳に若返ったんだから、可愛い名前考えて!!」

「そりゃそうだ!!親父呼ばわりは無いな、じゃ、タカ」

「タカって捻りの無い名前ね、私はシズね」

「シズって静香も捻り無いぞ!」


 タカとシズって隆司と静香、親父と母さんの名前、そのまんまだな。

「俺は、ここではチャラだからね!!」

「チャラ?あんまり、かけ離れた名前つけるな、呼ばれても自分と思えんぞ」

「呼ばれても、知らん顔しそうよ」

「ノボルは、中2の時の俺で、ミネルバ王をやってる、だから俺はノボルじゃ無くて、チャラ」

「ノボルがミネルバ王?」

「最初のソフトが、中2の時クリアーした物だったせい」

「そう?」


 サラさんの食堂に着きました。

「サラさん、腹減った!!」

「来たな!!タカにシズも相変わらずチャラと吊るんで、又悪さして来たか?」

 タカにシズ、か、もう補正が掛かってる。


「あっ!!!今日はカレーライスだ!!!」

「ああ、美味いぞ!!最近は珍しい食材香辛料が入って来るようになって、大助かりミア王女様様だよ」


「2部屋有るから、タカとシズはこの部屋で寝て、俺はむこうで寝る」

「明日が楽しみ!!!」

「ああ!!早く起きるぞ!!」


 まだ暗い、本当に早過ぎるぞ!!!

「イドのダンジョンに行こう!!」

「それは、まっ、良いか」

 草原に行くより、ダンジョンの方が近い。


 外はまだ真っ暗。

「道から外れないよう注意して歩いて!!」

「そうだった、道には魔物出ない設定だったな」

 と、言ってるそばから、外れてる!!

 モクが出たけど、シズが瞬殺してる。

 銅の剣より、毒の短剣の方が、攻撃力高いから。

「タカは鋼の剣、これに代えて!!」

「おぅ!!綺麗な剣だな!!」

 銅の剣は収納。


 イドのダンジョンに到着。

 タカとシズが走り出した!!目の色が変わってる!!

 モクとデスアイを競争のように倒して行ってる。

「あ~あ、アイテムほったらかし!!」

 回収が忙しい!!

 回収しながら、二人を追い掛ける、どうしても遅れてしまう。


 やっと追いついた時には、二人はイドと戦ってた。

 直ぐに加勢に入り、雷の剣を一振、イドは麻痺した。

 二人の攻撃ペースは変わらず、イドは消滅、1000Gと雷の短剣が宝箱から出てきた。

「シズ、此に代えた方が、攻撃力上がるよ」

「綺麗な短剣ね!!」

「これで攻撃したら、魔物は麻痺するよ」

「良いわね!!!」


 イドを倒した時点で、シズがLV25にタカがLV24。


 あっ!!収納出来る!!!」

「私も収納出来るようになった」

「二人は同行者だから、収納された物を現実に持ち帰れ無いよ」

「ああ、そうだった·····あの装置で、インストールするか。同行してもらい、この世界に痕跡を残せた、もう、一人でもミネルバロードに入れるだろう!!」

「タカ、ズルイ私もインストールする!!!」

「インストール後、再度ミネルバロードに入るとLV1からやり直し、これ以上LV上げしても無駄!!起きるぞ!!!」


「帰り道の途中だよ、家に帰ってからじゃないと、この体、道に転がってる状態になるよ」

 出掛けたのが、深夜だったようで、帰った頃にやっと、空が薄明るくなってきた。


 帰り着くと、タカとシズは即ベッドに入り、眠ったようです。

 器用だな、俺眠れるかな。


 俺も現実に戻ってた。


 それから、慌ただしい事!!

 坂本さんに、ミネルバロードソフト2個、獣耳ハーレム2個用意させ、俺に2個どちらも、LV125でクリアーさせ、親父と母さんは、そそくさとアパートに向かいました。


 これで、親父と母さんから手が離れた。

 やっと、ミアに会える!!!

 二人に振り回されて、今は夕方か、晩飯食べに行って、早く寝よう。


「··········駄目だ!!全然眠れん!!!」

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