第40話 ミアが消えた後

 永住すると、二度とこちらの世界に戻れません。

 永住しますか?

 警告メッセージが頭に響きます。

 選択の余地が無い、当然永住します!!!

(この警告は誰が言ってるのかな?)

「私は、ミネルバハーレムが発生した時、同時に発生した創造神です、ミア様」

「えっ?創造神?何で、ミア様?」

「ミアお母様は、私や世界の基です」

「基?どう言う意味?」

「ミア様、その内自然に理解出来ます。到着しました」

「ここは?始まりの町の私の部屋、だね?」

「ミア様、ミネルバハーレムで、健やかに、御幸せに!!!」


「あっ!!チャラ男が居ない!!!」

「·····永住権が無い、チャラ男の同行は、やっぱり無理だったか·····」

「この部屋から始まるって事は、LV1からやり直し?」

「あれ?LV83ある、収納の中には日本刀や武器が確り入ったまま!!!」





 同行出来なかった、チャラ男は。

「永住権が無い俺は、ヤッパリ置いてけ堀かよ」

「ぼ~っとしてる間は無い!!実家の俺の部屋に大量の荷物を隠さないと」

 ワゴン車から部屋まで、なん往復もして、やっと夕方に済ませました。


「このワゴン車、盗難車かも·····ファミレスの駐車場、ここに放置で良いか」


 テクテク歩いて、深夜にアパートに到着。

「腹へった~!」

 ミアの部屋に入ります。


 料理は勿論、炊飯も出来ないチャラ男は、食パンにマヨネーズ塗って、トーストもせずカジリます。

 牛乳を飲みながら、冷蔵庫を漁り、ハムとチーズを見つけ、丸カジリ。


「ミアが居ないと、俺って情けない男だな·····」

「ミアに逢う方法、何かあるはず」

 ドアをノックする音で、深い思考から引き戻されました。

「何方?」

「坊っちゃま、私です、お父様がお呼びです、御迎えに参りました」

 父の秘書を勤める、坂本さんの声だ。

「親父が?すぐに行く!!」


 親父が俺に用がある?何の話だろう?

 坂本さんの運転する、高級セダンの後部座席で、考える。

 思考が声になって居たようで。

「今日坊っちゃまの、された事についての、事情聴衆と、お父様は仰って居られました」

「ああっ、なるほど」


 着いたのは、自宅で無く、親父が道楽で運営している、山岡総合病院。

 お袋の病状が、良くないそうだ。

 通されたのは、最上階10階にある、理事長室、親父が待っていた。


「登!事情を聞く前に、お母さんの見舞をしろ!!癌の治療して居るが、衰弱が酷い、点滴で持たせて居る状態だ、長く無いかも知れん」

「親父!!何で、教えてくれない!!!」

「お前、大学にも真ともに行かず、引きこもり状態じゃ無いか!!」

「·····母さんの病室は?」

「この階の特別室だ」


 ミアが残した、丸薬に毒消しも持ってる、お袋に飲ませれば、死んで居なければ回復する、この世界に無い薬、きっと治せる!!!


 母さんは痩せ細って、二廻り小さくなって、ベッドに寝ていました。

 酸素吸入のマスクに、左腕に点滴の針が刺さって、痛々しい。

 それでも、俺に気付いて、嬉しそうに笑顔で迎えてくれた。

「母さんゴメン!!俺知らなかった」

「元気に顔を見せてくれて、何よりのお見舞いよ」


「親父!さっきの話が本当なら、俺に試したい事がある!!許可して呉れるか?」

「駄目と言われても、コッソリ試すけど!!」

「許可する、やってみろ!!」


「母さん、これを2粒飲んでくれ!!」

「ちょって待て、何だ?その怪しい薬は?」

「俺が此から、親父に話す、信じられない話の証拠品だよ」

 母さんは、自分は長く無いと、知って居るようで、俺の怪しい行為も受け入れてくれて、素直に丸薬と毒消しを飲んでくれた。


 効果は劇的、母さんは即座に回復し、立ち上がる事も出来るようになった。

 親父は勿論、立ち会った主治医、看護師のお姉さんも、奇跡に驚いた様子。

「の、登!!お前、今まで、何をしていた!!!」


 母さんの診察が終り、奇跡の回復に首を傾げる皆に。

「親父と母さんに話がある、理事長室に誰も入れず、3人で話したい」

「秘書の坂本は同席させるぞ」

「坂本さんなら良いか、じゃぁ4人で、他言無用の重大な話だぞ!!」



 理事長室で、銘々好みの飲み物を用意して、俺の話を待って居る。

「疑問とか、質問は、俺が話終わってからにして欲しい、親父良いか?」

「詳しく話して欲しい、話の腰は折らん」


「最初は、アパートの203号室の男が組み立てた、装置の話から·····」

 長い話を、皆黙って聞いてくれた。

「証拠の品はこれだけ」

「ミアが残してくれた、これが母さんを回復させた丸薬と毒消し、火炎攻撃の、暴力団幹部連中を焼き殺した、スレドの爪」

「これは、強力な爆弾ボアの種、それからミネルバの通貨10000ゴールド」


「信じられん話だが、死ぬ寸前だった母さんを、回復させた不思議な薬、それだけで、お前の話を信じる」

「ただ、どのような調査をしても、お前が言う、今川心愛さんの存在が確認出来ん!!!」


 途中、坂本さんが、スマホ連絡してたの、ミアの調査だったのか。

「ミアは、ミネルバに永住のため飛んだ、修正が掛かって、ミアの存在した痕跡は消えたはず」

「俺だけは、ミアに同行して、ミネルバに行ってたから、ミアを忘れずに居られる」


「それで、全く同条件の状態を作れば、ミアさんの部屋でインストール出来て、ミネルバロードに入れるように成ると考えて居る?」

「駄目かも知れないけど、やって見る価値は有ると思う」

「個人差で、お前はLV15からアイテム収納が出来だしたそうだな、奇跡の薬を大量に持ち帰ってくれ、お膳立ては全てやってやる!!!」


 マッドサイエンティストは、俺に怪我を負わせたと、親父の怒りを買い、警察病院に隔離されてたとか。

 親父が退院させ、報酬1億円で装置を組み立てさせた。

 勿論ゴキブリが這った通りの回路が出来上がった。


 俺はミネルバロードをネットで手に入れ、LV125でクリアー、獣耳ハーレムも購入、どちらもセットして、ミアの部屋に移動。

 親父が203号室から、叫んでる

「登!準備は出来たか!!!」

「いつでも良いぞ、ドアノブ握って待機してる!!!」

「電源入れろ!!」

 の、声を聞いて、意識が遠退いた。


 気絶は僅かの間だったよう、酷い頭痛で意識が戻った。

 親父が202号室に入って来た。

「登!成功か?」

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