小説はマンガに勝てないのか。
実はちょっと前に話題になったテーマで。タイムリーに書けたらよかったのですが、色々忙しくて、そのまま流してしまっていたのですが、やっぱりしっかり書いていおきたいと思ったので、今回、取り上げさせてもらおうかと。
事の発端はですね、
【小説はマンガに勝てないと豪語する大人】
これで検索してもらったら、togetterにもまとめられているので、もしご興味あれば、是非検索をしてみてください。
要約するとM先生(オンライン作家さんが)受けた言葉から、なんですが。
「小説はマンガに勝てない」と豪語する大人がいるけど、疲れるよね
というツイートから始まって、様々な議論を呼んだという展開。
それぞれの議論は、それぞれで考えてもらうとして。
そもそもM先生は、勝ち負けじゃないのは当然のことと、
ツイートの中でもM先生は仰っていおたので、そこは大前提です。
砂糖が先か、塩が先か、みたいな。
あるいは、
ロックが最高か、ジャズこそ至高かみたいな。
お好み焼きは、関西か、広島焼か、みたいな。
(ここらへんは死人が出そうな議論ですが、個人的にはドチラも好き)
表現するメディアが違うということは、得意な面、不得意な面も当然あるということで。そこらへんをあえて、触れるというのも面白いかなぁと思って今回は書かせてもらいます。
個人的に、マンガの得意なこと(読んでいて好きなこと)小説の得意なこと(読んでいて、書いていて好きなこと)をあげてみたいと思います。
最初に言っておくと、ですね。
どっちも読むの大好きなんです。
M先生と同じように声を大にして言いたい。
勝ち負けじゃないんです。そこに素敵な作品がある。そして推しがいる。そこが重要なことだと思っています。
【マンガの素敵なこと】
・写実的な表現で、イメージがしやすい
・コマワリの躍動感、カメラアングルを意識した表現が可能
・実写では表現できないような描写が可能
【小説の素敵なこと】
・精緻な心理描写
・世界の情景、登場人物の描写は、読者それぞれの中にある。
・情報量の多さ、そして現実で起こりえないことを描写できる。
まだまだあると思うのですが、ポンと浮かんだことを書いて見たのでした。
ともに思うのは、マンガは絵で、小説は言葉で読者に伝える作業である、ということですね。最初のとっかかりは、自分の好きな世界を作るということ。
その中で、読者の目に触れたとき、読者に伝わる為の方法というのを、知らず知らずのうちに考えていくのではないでしょうか。
ここでは、書籍化を目指すことは置いておいて、読者という視点で書かせて頂きたい。
作者が思う世界と、読者が思う世界では当然ズレがあるんですよね。
それは当然で。
マンガは伝えやすい。
小説は想像力の幅が大きい。
でも、根本的なところでは、読者がその物語の世界に没頭することができるか、にもかかっていると思います。
矛盾するようですが、近年、小説の中にも心理描写をとことん省いた、シナリオのト書きのような表現を好む人もいると聞きます。
僕はどうしても海外SFや児童文学ファンタジーを好むので、そこは好みが分かれる所ではあるのですが、コミック感覚を小説に持ち込んでいる気がしなくもない。
つまりですね。悪いとも思わないし、否定をするつもりもさらさらないんですけど。
もったいないな、って思うわけです。
その方が、そういう風に感じられる自由もあるわけで、別にそこに対してもの申すこともないんですけどね。
僕が個人的に好むのも、物語の圧倒的な奔流に飲み込まれそうな、
そんな作者様が作り上げた、やっぱりそんな世界です。
色々な価値観が合って良いし
自分がコレだというような作品を作り上げて
読者が、その作品に夢中になっているとしたら、
それこそが、その作者と読者の正義であり、世界であると思います。
結局、結論に戻るとね。
小説でもマンガでも、どちらでも素晴らしいし
どちらも得意な表現方法があって、苦手な表現方法もある。
お好きな方で、巡り会った作品に感動してくれたらいいし、
感動した作品を誰かに伝えてもらえたら、
またその世界は広がっていく。
ただ、どちらかの優劣とか、
そういう所でこだわりがあるのは
少しさみしいかな、って話しです。
小説に関して言うなら、
本当に物語の世界へ誘われる時というのがあって。そこに没頭して、時を忘れて。ページをめくる手がもどかしい時があって。
そういう物語が書けたらなぁ、と思います。
勝ち負けじゃない。そこに素敵な作品があって。
その作品を手に取って、
もしくは、そんな作品を書くことができたら
それが一番、幸せなことなんじゃないか、と。
そう思うわけなんです。
店主・尾岡
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