第5話話し合い

話は戻って、


カフェのテーブルに向き合う上司とわたし。


わたしは、こうなった経緯を話し始めた。


話し始めたとたんに、涙が出てきた。


公衆の面前で、いい年した大人が、涙を流すことが恥ずかしいなんて、そんなことを考える余裕もなった。


上司は「うん、うん」と一通り話を聞いた後、「まだ、決断は早いと思う」と言った。


「結果はこれから出てくると思うし、まだまだ出来ると思う。もう少し頑張って、それでも無理なら、退職すれば良いのでは」と言った。


今までも頑張ってきたのに、これ以上何を頑張れというのか。


「もう無理なので、辞めさせて欲しい。お願いします。」


深々と頭を下げて懇願した。

色々と説得されたけど、それしか言わなかった。


すると、上司がキレ始めた。


上「じゃあ、いつ辞めるんですか?今日ですか?あなたの仕事は誰がやるんですか?私にやれって言うの?」


わ「今日辞めろというのであれば、それで構いません。仕事は、信頼できる〇〇さんに引き継ぎます」


上「私は〇〇さんのことを信頼するには値しないので、それは認められません。わたしさんの立場であれば、早くても2年前には辞めることを言ってもらわないと困る。もう一度考え直して欲しい」


わ「このままでは、自分が壊れるので、辞めさせてください」


上「みんな辛い思いを抱えて働いている。私だって辞められるものなら、こんな役職やりたくない。今日はこれで帰って、もう一度考えて。」


と言い残し、キレたまま上司は足早に去っていった。


何を言われてもわたしの心は動かなかったし、YESマンだったわたしの初めての反抗だったのかもしれない。


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