なんでもない時間

ただ何かできるわけでも かと言って何もできないわけでもなく寝足りなかった次の日のような 頭の中には貴方だけがいて 侵食されまいとパラパラと本を繰ってもなんとなく靄のように頭を覆い 遠くにいる誰かの声を聞いて あああの頃はお母様、私は守られていたのだなあと 


今も誰かに守られて ガラスの靴こそないけれど 飛び乗れるのなら馬車に乗り 愛しい人が現れるのを待つのも止めて 


私の足を踏み出して


昨日浴びた小言は洗い流し



踊ろう



踏み出せば何でもできる


物音に怯えないで


闇に呑まれる前に月と友人になって




夢に覆われる前に

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