第肆話 彼は長則さまと之綱さま

こうなる事は予想していたけれど、でも、年単位で居れたから良いわよね?


居心地は良かったんだけどなー。


長則さまに拾われ、之綱に勉強とか兵法?って言うの教えて貰ったり、良くしてくれたり、美味しいものを食べさせてくれたり、何年か過ごしてたんだけど、ついに周りの人の嫉妬が大爆発!


長則さまに呼び出され、泣く泣くワタシを屋敷から追い出す事に決めたみたい。


「ワタシは大丈夫ですよ、今まで良くしてくれてありがとうございました、長則さま」


「さ、猿……すまん、至らない主だ。出来るだけ暫く生きられるだけの炉銀を渡そう」


「ありがとうございます、長則さま。出て行く支度はしておきまーす」


ワタシより長則さまが泣きそうになっている、胸が恋しいのかしら。でもお金は貰えるみたいで暫くは安心ね。


長則さまが何か言いたそうな表情をしてるけれど、周りの人の目があるから言えないみたい。取り敢えず頭を一度下げ、ワタシは部屋を後にした。


自分が与えられた部屋に戻り、いくつか貢ぎ物を貰ってたけど、重いし貰った着物を一つだけ持ち他は置いておく。後はトリップした時の服に鞄にと荷物を全部纏めて一息。


ワタシの物は少ないから、纏めるのは楽よね。


部屋で支度をしていれば、急に襖が開いて視線を向ければそこに立っていたのは之綱。こっちも長則さまと一緒の表情。


「之綱、今までありがとうございました。色々教えてくれてありがとう」


笑顔付きで相手に告げれば、襖を閉め早歩きでワタシに近付き、手をぎゅっと握り締める。


目を瞬き相手に視線を向けたら、真剣な表情の之綱。


「猿っ…、俺が、俺が当主になったら、絶対に迎えに行く。それまで、我慢してくれ」


それはもう、悲痛な叫びのような言葉でワタシに告げた。


何だかプロポーズみたい、初エッチの相手だから特別みたいな?え?そんな感情かしら、長則さまも之綱も嫌いじゃないけど、すごーく好きな訳でもない。けれど此処は空気を読んで、曖昧な表情で頷いておいた。


良い方に解釈したっぽい之綱が、長則さまが呼んでるって事を伝えてきたからワタシは荷物を持って長則さまの部屋に向かった。何故か之綱も一緒に。


部屋に着くと長則さま一人、背後には之綱さま。


秀与ちゃんはビビッと!感じましたー、ふふ、長則さまと之綱さま最後にワタシとエッチしたいのかしら?ワタシは長則さまに妖艶な笑みを向けて手招きをする。


ふらふらと、長則さまはワタシの方へ近寄ってきた。それと同時に背後にいた之綱がワタシを抱き締める。


最後の最後に、親子で3Pってビッチで気持ちイイ事が大好きなワタシには良い思い出話しな土産よね?

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