二十一億光年の孤独

イヤフォンで耳を塞いで

僕は宇宙の中心で耳を澄ましていた


YouTubeでNASAが地球の実況生中継をしている

重力素粒子がダークマターの中をぶんぶん飛び回っている

専門家は人類の火星移住をまくし立てている

君たちはどこへ行ったのだろう


僕たちが眠り起きそして働き

火星に住みたがっているころ

君たちはどこでネリリしキルルしハララして

どこを目指しているのだろう


宇宙は膨らみ続けている

時間も膨らみ続けている

僕たちはひとつのクシャミもせず

遥か彼方の銀河を覗いている


君たちは知るのだ僕の孤独を

それはたった十億五千万年後のことだが

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る