海底の帆船、それは一篇の詩

 二人の青年の短い出会いの中に、すれ違う船が汽笛を交換し合うような場面を感じた。
 海底でゆらゆら揺れる海草の中をかき分けるような街中で、品格と知性を常に灯りのように放ち続ける主人公達にとって、互いの存在は得難い理解者だったろう。作者は差し詰め灯台と言ったところか。
 詳細本作。