第4話 おみみを澄ませば潮騒が聴こえる~後編~

 

 「ご馳走様でした……」


 みんなとお喋りしながらと言う名の極上のスパイスと共に、巨匠マエストロおかーさま主宰の素晴らしいおやつタイムは一先ず幕を下ろした……


 「あ、キュルルちゃん、お絵描きしてるんだね!どんな感じかな?ちょっと見ても良い?」

 「良いよ!」


 ぼくは、この暖かな団らんの一時を描き留めておきたかった  

 描き終えたらちゃんと見せる事を約束をして、みんなにはお喋りと言う名の第二ラウンドを始めてもらってるまっ最中


 構図は真ん中におかーさまを

 後は配置を入り乱らせてみる感じにしてみる


 「キュルルさん、一体、これは何をしているのですか?」

 「フォルカさん、これはですねぇ……?」


 まずは下描き段階で右と左、バランスを取るために、鉛筆で距離感を測っていると説明


 これをしながら一本、また一本と、全体の輪郭をうっすらと付けて行く……


 「お、これ良い……!」


 時々、面白い動きが有ったら、片隅に簡単にささっと描き置きをしつつ、全体を描き上げて行く


 ちょっとばかり大きめに動きも付けてっ、と……

 よし、これで下描きは出来た!


 ここで、シロナガスクジラさん

 

 「ちょっと良いかしら?」


 「?」

 「……そのまま、そのまま……」


 なんだかよく分からないけど、もう一つの世界に集中しているせいか、何をされているのか、ぼくはさーっぱり……


 ここから先は早い


 リュックから、色鉛筆を取り出し、白と黒の世界から、鮮やかな世界へと変えていく


 「にゃはははは!!ちょっとキュルルぅ!!」


 「カラカルさん?どうしたの?」


 「そのかっこ、凄い似合いすぎて……もうね!?」


 ふと、顔に手を当ててみると、なにか付けられてる違和感……


 否……ッッ!平常心……ッッッ!!!


 「……あははははっ!!やっぱりダメだ!!」


 おかーさま、ぼくの顔におひげをくっ付けたみたい!

 想像してしまって、もうぼくは我慢が出来なかった


 ぼくが笑っちゃった事で、みんなが笑い出して……


 「ん……?」


 そうか、そう言う事か!!


 然り気無くウインクをしてきた

 流石、おかーさま……あなたには、頭が上がりません……!!


 「いよぉし!ラストスパート!!」

 「キュルルちゃん頑張って!!」


 そう、「もう一つの世界」にだけ、固執し過ぎて、色を塗ってもなんだかしっくり来なかった

 昨日の夜は、仕方なかったけど絵は、声だったり、温度だったり、雰囲気だったり、それを全て表現するのがとても大事


 良い具合に力が抜けた事で、それを改めて気付く事が出来た


 描く事はとても楽しい


 上手く描ける、それは目的じゃなくて、あくまでも手段だ

 やっぱり、ぼくはこの楽しい雰囲気を、見てくれる「誰か」と一緒に楽しみたい

 これからもたくさん描きたいし、これからもずっと、描き続けると思う


 だからこそ、今、ぼくの目の前の世界はみんなの物なんだ!


 ↓←↑←↑←↓←→A+A


 「みんな!出来たよ!!ありがとう!!」

 「うわぁ!楽しみ!!」  

 「サーバルさん、ちょいとお待ちを……」

 

 ぼくは、一人づつじゃなくて、みんなが一度に見る事が出来るように、スケッチブックをひっくり返して、テーブルに立てた


 今回は、真ん中に配置したシロナガスクジラさんの顔は正面を向いているんだけど、目線は別へ

 そして、背景は敢えて外の風景にしてみた

 室内よりも、くっきりとした色合いに出来るって個人的なわがままなんだけどね


 テーブルにたくさん置かれたおやつを取り合ったり、分け合ったりと動きを入れて、その瞬間を閉じ込めたような仕上がりに


 だからぼくは、この中にはいないんだ


 その代わりに、ボスが頭の上にじゃぱりまんを置いて、喜んでる様子を追加してみた


 サーバルさんに、その事を言われた時は「どきっ」としたけど、説明したらなんとか納得してくれたみたい

 

 そして、ぼくは本題へと移ることにしたんだ

 スケッチブックを何枚かめくり、「ここに行きたい」とお願いをしてみると、ダブルフォルカの二人がこの場所を知っているそうで案内をしてくれる事になる


 何か手掛かりが見つかると良いんだけど……


 「じゃあ、二人とも、キュルルの案内、任せるわね!」

 「うんっ!まかせて!!」

 「おかーさん、しっかりとお連れします!」


 「よろしくお願いします!」


 頼もしい二人に、ぼくはとても心強い


 カラカルさんとサーバルさんは、シロナガスクジラさんからお手伝いを頼まれ、お留守番となった  


 「キュルル、これ、持っていきなさい。ちゃんと使えますわ!」

 

 ここを出る、その時に水の中でも大丈夫な、ボスが言っていた物を受け取る

 使い方を習って、これで準備完了!


 行き方をドルカさん、フォルカさん二人に聞いた所、ニヤニヤしながら答えてくれない……


 なんだか、嫌な予感しか……


 「おかーさん!じゃあ、行ってくるね!」


 ぼくはひょいと、ドルカさんの背中に乗っけられ、海上を猛スピードで疾しり出した!!


 「気を付けるのよー!!」


 「うわあああああああああああ!!!!」


 速い!速い!!

 どうやって進んでいるのか分からないけど、まだ海の上、と言うのだけは確かだ


 「頭のここ、しっかり掴まってて!!」

 「……掴まえたよ!痛くないー!!?」

 「ダイ!ジョーブっ!!だよっ!!」 


 もちろん、ここは海

 陸の上では、ぼくたちは足を使うけど、それはまるで空を翔んでいる様に……


 両手を広げ、バランスを取り、スピードが上がる時は身体にぴったりとくっ付けている

   

 「キュルルさん、私の事も、忘れちゃダメですよ?……ドルカさん、行きますよ!!」

 「お?あれやっちゃうの!?……いいよ!」


 激しい波しぶきのせいでなかなか目が開けられずに居るから何が起きているか分からないけど


 「いーやっほー!」

 「Oh!」

 

 視界がぐるぐる回ったり


 「Wow!?」

 「アゲアゲで行きますよ!!ちゃんと着いてきて下さいね!!」


 ぼくは、二人の背中に交代交代で飛ばされつつ、その恐怖が、少しずつ「わくわく」に上描きされていく

 

 「キュルルちゃん、アレ着けてる!!?」

 

 今は、ドルカさんの番

 ぼくは背中に乗せて貰いつつ


 「……着けてる!大丈夫だよ!」


  「いっくよー!!それーっ!!!」


 ドルカさんの掛け声と共に、ぼく達は空を翔んだ……っ!


 弾ける、七色に輝く波しぶきが包んでいる


 この瞬間……時間がとてもゆっくりになったような感じになって、見渡すと視界360°陸地の見えない蒼く拡がる海に、雲一つない青い空がとても眩しい


 下では、手を振るフォルカさんが

 ぼくも手を振ってお返事


 ここからは、時間が戻ったみたいで、一気に海の中へと吸い込まれていった


 ←→↑←→↑←→↑←→↑A


 海の上、穏やかな波、ほっぺをそっと撫でる風が気持ちいい……


「キュルルさん、どうでしたか?」


 「海の上を疾しってもらったり、空を翔んでもらうだなんて、こんなの初めての事だよ!それに、こんなスピードに着いてこれるフォルカさんも凄いし、やってくれたドルカさんも凄いよ!凄すぎて凄いの一言しか凄い!!」

 「き、キュルルちゃん、落ち着いて……どうどう……」


 さっきドルカさんがやってくれたのは、おかーさん、もといおかーさまこと、シロナガスクジラさんの十八番オハコ、「スパイラルブリーチ」という技なんだって 


 「ドルカさん、今日は調子が良いんですね!」

 「うんっ!」

 「おかーさんよりも高く飛べてましたよ」

 「え!ほんとに!?」


 それから、ドルカさんは嬉しさのあまり、固まってしまった……


 「おーい?ドルカさーん?」

 あれ?

 「おーい?」

 「はっ……!ご、ごめんね!!」


 「ううん、良いんだ、これは凄い事なんだから!!」

 「うぅ……ありがとう……」


 「そう言えばキュルルさん、ドルカさん、私達、何か大事な事、忘れてる気がするのですが……」


 「……なんでしたっけ?」

 「……あー!思い出した!!キュルルちゃんをあそこに連れてくんだった!!」


 と、言うわけで……


 「ちょっとまって、ここのリーフ、キュルルちゃんに見て欲しいな!」

 「ドルカさん、それ良いですね!」


 おっと!ここでストップ!!


 「おお……!」


 「ここはね?……あれ?おかしいなぁ、お魚さん全然いない……」


 直接脳内に語りかけるような感じでぼくはとても驚いたけど、深く潜るドルカさんは、不安そうにうろうろしている処を見たぼくは細かいことは気にしない事にした


 「……ぷはぁっ!フォルカちゃん、なにかおかしくない?」

 「えぇ、そうですね……ここは普段からお魚さんがとてもたくさんで、それをキュルルさんに見て欲しかったのですが……」


 リーフって、こう言った珊瑚礁がある地形の通称で、お魚さんだけじゃなく、たくさんの生き物が暮らしていると二人は説明してくれた

 

 「行ってみましょう!」

 

 ぼくが探している場所は、ここからまた離れた場所にあるらしく、さっきよりも遥かに速いスピードで疾しり出した!!


 「キュルルちゃんしっかり掴まって!!」


 →↑←→↑←↓←→↑↓B


 「このまま海に入るよ!」

 「大丈夫だよ!お願い!!」


 確かに、ぼくのスケッチブックに描かれていた場所はそこに有った

 とても深いところ、それじゃ簡単に見つかるわけが無い


 「危ないっ!」

 「うわぁ!!」


 近付こうにも、潮の流れが固まりで襲って来るような、あまりにも速すぎて近付くのはとても危険と言うことで引き返す事になった


 あのまま、先に進んでいたら一体どうなっていた事か……


 「フォルカちゃん、これは、また別の日に調べにいかなくちゃ……!」

 「そうですね!」


 時間は、もう夕方になっている


 濃いオレンジは今日と言う一日がもうすぐ終わりを迎える色


 帰りの道は、ゆっくりで二人は口数が少なかった

 

 ぼくも昨日まで、いや、さっきまで変わらなかった事が急に大きく変わってしまったら、今のドルカさんやフォルカさんのようになってしまうと思う


 しばらく進むと、陸が見えてきた事で一先ず安心


 「ごめんね……力になれなくて……」

 「ううん、気にしないで、それよりも連れてってくれてありがとう!」


 結果はどうであれ、ぼくのために二人はとても頑張ってくれた

 その事実だけでも、ぼくはとても嬉しかった


 「ただいま!」


 ドアを開けると、そこには前掛けを着けた三人の眩しい姿が!!


     「うおっまぶしっ!」

 

 ぼく的には、おみみをちょっとしゅんとなってもじもじしてるサーバルさんに「ぐっ」と来るものがあった

 キリッと腰に手を当て、バッチリ決まったカラカルさんも良いし、似合う度合いがGENKAITOPPA!!のおかーさまも、うん、良い!!

 ぼくに、よし!あなたにも、よし!うん、よし!!

 うおっ!まぶしっ!!



      「はうぅあっ!!」



 「あ、キュルルちゃん達帰って来たよ!」

 「お帰りなさい!晩御飯できてますよー」


 「キュルルどうだった?なにか思い出せた?」

 

 「……ここに来た事だけは思い出せたんだけど……」


 「そう……でも、わたしはまだ見付かんなくてもいーかなー?なんてね!」

 「そうだね……!」

 「サーバル、なかなか……な、何でもないわよ……」

 

 「みんなー!こっちいらっしゃい!!」


 さぁ、お待ちかねのお晩の時間ですよ!

 カラカルさんが、何か言いかけたのが気になるところなんだけど……


 大きなお鍋には、お野菜がてんこ盛りのカレーライスが!

 

 「みんな、座ってて!わたし、持ってくるから!」

 「サーバル、あんただけズルいわよ?あたしもやる」


 「ぼくも何かお手伝い……」


 ダブルフォルカチームは、あれだけ激しい動きをしたから、くたくたみたいで、テーブルに突っ伏している

 それに、サーバルさんやカラカルさんだけに負担を掛けるわけには行かない……


 「良いからあんたは座ってなさい!!」

 「は、はひいいっ!!」


 程無くして、おかーさま、サーバルさん、カラカルさんによるスペシャルカレーが運ばれてくる


 「おーまちぃっ!」

 「ありがとう、サーバルさん」


 先ずは、頑張ってくれた二人のもとへとお皿を回す

 ここで、焦ってはいけない……確かに、誘惑的な薫りがぼくに心地よく刺激してくる

まだ、至高のスパイスが足りてない、今は我慢……

 

 「また今日も、険しい顔ね……」

 「カラカルさん、お気になさらずに……」


 ああ……待ち遠しい、今は食欲よりも胸の高鳴りを抑えるだけで精一杯……


 「はい、あんたの分よしっかり味わいなさい」

 「有難う……」

 「早いとこ食べないと冷めちゃうわよ?」

 「カラカルさん、分かってない、分かってないなぁ!!」

 「……ふん!」


 もう少し

 

 ぼくは、みんなに行き渡り揃って、共に「いただきます」をしてから、匙を口へと運びたい……


 じれったく、もどかしいこの時間も大事にしたい


 それほどなくして行き渡り、いよいよ……

 

 「う、ううん……あぁ!カレーだぁ!!」

 「おはようございます、あ、決して寝ていたわけじゃないんですよ!?」


 ダブルフォルカチームも復活し「ごほうびタイム」スタート!


      いただきます!


 先ずは、一口……

 おお……!

 おや?

 

 「サーバルさん、なんで泣いてたの?」

 「え、えーっと!?なんでだろー!!?」


 味覚に、サーバルさんが入って来た

 

 「さ、サーバルったら、お野菜切ってる最中に急に泣き出しちゃったのよ!?」

 「か、カラカルー!それ言っちゃだめー!」 


 これは、「何でそうなったのか?」を聴くのは愚問、と言えよう……


 話題を少しズラしたく、お皿に視線もズラす


 ああ、成る程ね

 良い具合、飴色に色づいた玉ねぎが目に入って来た


 これは、使えるっ……っ!!

 

 「この玉ねぎは、サーバルさんが?」

 「そ、そうね!玉ねぎ!!サーバルったらおっちょこちょいなんだから……」

 「たくさん切ってもらえて助かりましたわ!」


 「サーバルさん」

 「なーに?」

 「甘くて美味しいよ!」

 「良かったぁ!」


 カラカルさんが、然り気無くウインクして来る

 

 「おかわり!」

 「はいはい、まだたくさん有ります!いっぱい食べてね!」

 

 ドルカさん、フォルカさんはぼく達よりもかなり速いスピードでお皿を空けていった


 「あれは……!」


 ぼくとサーバルさん、天高く持ち上げられたおたまから、カレールウを弾かせる事なく盛り付けるおかーさまの秘技、「クジラ盛り」に息を飲んだ


 この時、一つ名言が


 「フォルカさん、こんなに速く食べてるけど、大丈夫?」


 「と、止まらないんでふ!もぐもぐ……キュルルさんもぐもぐ、知らないんれふか?カレーはもぐもぐ!飲み物、もぐもぐ!なんですよ!!おかーさん、おかわりお願いします!!げぷっ!!」


 「あらあら……嬉しいですわぁ……!」


 ご飯ですら飲み物なんだそうで……


 「フォルカちゃん!もぐもぐ!どっちがいっぱい食べれるかもぐもぐ!競争だよ!!ごっくん!!」

 「負けませんよぉ!!もぐもぐ!!」


 「物凄い食べっぷりね!?」


 ぼくは、ぼくらしく、一口をじっくりと味わい、愉しむ……


 切り方は、金属の味がしないから特別な切り方をしたのかな?

 そして、このピーマンやニンジンはカラカルさんが、切ったものかもしれない


 「うわぁ……何で分かるのよ……」

 「んー、なんとなく、かなー?」

 「キュルルちゃんすっごーい!」


 美味しくなあれ、とおまじないを掛けてくれる三人の様子が立ち上る湯気から感じとることが出来る


 「はわぁ……」

 

 ぼくなりに「美味しい」には、種類が有ってどんなに上手に作れても、賑やか、や雰囲気と言う「スパイス」無しには物足りない気がする

 だからこそ、毎日が違った「美味しい」があると思うんだ


 「やっぱりあんた、まだその顔なのね……」

 「カラカルさん、美味しゅう御座います……」


 おかーさま、カラカルさん、サーバルさんによる三位一体ジェットストリームを心行くまで堪能したぼく達なのであった……


 ←→↑↓←→↑↓←→↑←A


 後片付けも終わり、ぼく達は新しい場所へと行く準備をしている


 おかーさまから「今日はお泊まりしていったらどうかしら?」と言ってもらったんだけど、ボスにはお留守番してもらってるから寂しい思いをさせているかもしれない


 「いい、キュルル?さよならはね?もう会えないからじゃないんですよ?」

 「はい!シロナガスクジラさん、ありがとうございます!」

 「また一緒に遊ぼうね!」

 「いつでも来てくださいね!」


 また、いつか会える

 その日までしばらくお別れの挨拶を

 

 握ってもらったみんなの手は、とても暖かかったんだ


 別れ際に

 「おかーさん、ありがとう」と、サーバルさんは少し寂しげ


 「サーバル、大丈夫、きっと見付けるから……!」

 「……そうだね!」


 あれだけ賑やかだった昼の時間が恋しい夜の道、仄かに聴こえる虫たちの歌声がしっとりと、ぼく達の進むべき道を教えてくれる


 何も喋らないけど、二人の表情は力強い何かを現しているみたいだった……

 

 モノレールに着くと、電気がちょっとだけ着いてボスが、ぼく達をお迎えしてくれた


 「ボス、ただいま!」


 「ア、ミンナオカエリ!!」


 「ずっと一人にしてごめんね?」


 「ボクハダイジョウブサ!」


 「ほんとにー?あたし達居なくてホントは寂しかったんじゃないの?」


 「カラカルー、あんまりイジワル言っちゃダメだよ?」

 「べ、別にそんなわけじゃ……」


 「ホントウハ、チョッピリサミシカッタンダ……」


 「ボス」

 「ナンダイ?」

 「ありがと!」

 「ア、アワワワワ!?ケンサクチュウ!ケンサクチュウ!」

 

 「ボスー!またぁ!?」


 今日はぼくもだけど、カラカルさん、サーバルさんもたくさん動いてくたくた……

 

 そんなこんなしているうちに二人は寝てしまった


 (ねぇ、ボス)

 (ナンダイ?)

 

 お昼前に描いた絵をボスに見せた

 もちろん、二人を起こさないように、こっそりとだけどね?


 (キュルル、ドウシテボクガイルノカナ?)

 (決まってるじゃない、ぼくはいつでも一緒のつもりだよ)

 (……アリガトウ、トテモウレシイヨ……)


 お喋りしたい事はまだまだ他にもたくさん有るけど、今日はもうとても眠いんだ……波打ち際の優しいゆらゆらがまだぼくの中に残っていて


 (じゃあ、ぼくももう寝るね)


 ゆっくりと、目を閉じた……


 (ウン、オヤスミ、キュルル)


 まさか、僕にも……これは驚いたね

 

 「ア……」


 流れ星だ

 この子達の旅の成功を祈るのが本来の役目かもしれないけど、「ずっと一緒にいれますように」ってお願いしちゃった……


 さて、明日も頑張るぞ!!




 しゅっぱつしんこー!ジャパリパーク!!

 

 


 

 

 

 




 

 

 


 


 


 



 

  




 

  

  


 

 

 


 

 


 


 


 


 

 

 

 

 

 


 


  

 


 

 

 

 


 

  

 

 

 

 


   

 


 

 


 


 


 


 


 


 

 

 

 


  

 

 


 


 


 


 


 


 



 


 


 


 


 




 


 

 

 


  

 

 


 


 

 


 

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