織田信長の転生!?異能バトルで天下を取る。

浅倉楓

第1話 転生先は女の子!?それでも天下を目指す信長

 時は1582年早朝。京都の本能寺に滞在していた織田信長は

部下の明智光秀に謀反を起こされ、天下統一まであと少しと

いう所で殺された。正確には自害だが。

 でも、殺されたも同然でその無念は重く、魂は消える事が

なかった。


 そして、500年以上の時を経て信長は生まれ変わった。


 しかし、問題が多々あった。まずは、生まれ変わったのが

女の子であるという事だ。

 しかも、女子高生でおてんばな性格。でも、そのおかげで

体力があり、戦い向きではあった。


 あとは現代があの頃とは比較にならない程、栄ており

戦国時代を生きていた信長にとっては仰天だった。

 さらには今の時代、超能力や特殊能力という物が使え

それで戦ったりするが、それはスポーツの一種みたいな

ものだった。


 織田信長、改め、織田菫(おだすみれ)は中学の時に

信長の記憶が蘇り、それ以降は信長が菫になっている。

 それから三年が経ち、体にも慣れ、現代にもなじんできた

頃、この現代でも天下を取れる事がわかった。


 それが、異能バトルだ。魔法みたいに色んな力を使い

戦う。その大会もあり、そこで優勝すれば天下人と

言われることになる。

 本当に国を取れるわけではないが、それでもそこから

国を取れる事もできると考え、信長、菫は修行をした。


 そうして、高校生になり、信長はそこで大会に出て

優勝する事にしたが、問題が一つあった。

 信長が入学した学園、尾張第一高等学園は異能バトルで

良い成績を残しておらず、言わゆるダメ校だった。


 それでも信長はここで代表になって天下を目指す事にした。


 入学して二週間程が経った。学園にもなれてきた頃、菫は

一人修行をしていた。

 この学園は異能バトルに力を入れておらず、地区大会には

出るがいつも一回戦負けの様な弱小校だ。


 異能の力にもランクがつけられており、最強と言われるのが

Aランクで最弱がEランクだ。


 学校にもランクはつけられ、当然ここはランクEである。そんな

所に通う生徒なのでバトルにもやる気はなく普通の学生が

ほとんどだ。

 だからやる気がある菫ならすぐに代表になれる。ちなみに

菫、信長の能力の主力は時間だ。それは信長の記憶が

蘇ってから使える様になり、おそらく転生したからかもしれない。


 能力は一人でいくつも持つことができるが、大体はメインの

能力と補助的な技として使うぐらいだ。


 菫は時間以外にも主に雷の能力を使う。おてんばと呼ばれていた

中学時代ではよく使っていたので扱いやすかった。

 高校に入ってからの菫は少し大人の感じを出していた。


 背も伸びて、髪も長く顔は可愛いより美人風で豊満な胸も

している。男だった信長にしたら邪魔だったが、少し現代の

性欲にも興味があったのでこれはこれでいいと思った。

 そんな信長は家に居る時も真面目で、家の事を手伝ったり

していた。でも、中学まではまったくしなかったので急な

代わりぶりに家族も驚いていた。


 信長、菫は記憶が入れ替わったことを家族にも伝えて

いなかったのだ。


 なので菫のままを見せつつも、天下人たる者、冷静になる

事も大事と、高校に入る事を気に大人しくした。


 そんなある日、いつもの様に学園の屋上で修行をしていると

妙な気配を感じた。しかも、この学園からだ。

 修行を止め、校内に戻り、その妙な気配を探す。そうして

たどり着いたのは。


「私のクラス?」


 自分のクラスに戻っていた。中に入ると皆、普通に談話したり

している。

 でも、一人だけ、大人しくしている生徒がいた。それは

男子生徒で、イケメンという程ではないが悪くもない普通の

男子の柴田克典(しばたかつのり)だ。


 菫はまだ話したことがないが、その気配は彼から流れて

来ていた。


 そして、菫、信長は彼に話しかけた。


「ねぇちょっといい?」

「うん」


 彼は小さく声を出した。二人は一緒に教室を出た。屋上に行き

そこで菫が話し出す。


「あなた、私の事知ってる?」

「ハイ。知っています!信長様」

「!?まさか、六(りく)か?」

「ハイ。自分もこの時代に転生しました」

「転生!まぁお前ももう昔の人間だからな。死んでいるのだろう」

「ええ。享年62でした」

「・・・あの事を聞いてもいいか?」

「本能寺の事ですね」

「ああ。あれは本当に光秀が?」

「おそらく。確証はありません。現代でも様々な説になって

ますので」

「そうだな。でも、もし、あの時の武将達が転生しているの

だとしたら」

「ハイ。どこかで会えるかと」

「・・・その為には大会に出ないとな。りく、手伝って

くれるな?」

「ハイ。またこうして信長様に使える事を光栄に思います。ただ」

「ただ?」

「なぜ、女子の姿で転生されたのですか?」

「それはわからん。でも、この力があれば天下を狙える。例え

女でも必ず勝って見せるわ」

「最後に女言葉になりましたね。まぁ僕にってはうれしいかもですが」

「まさかお前、女好きか?」

「この持ち主はそうでした。まぁこの時代では普通なのでしょうが」

「そうだな。私も、少し興味はあるが、今は天下を目指す事のみ」


 少し顔を赤くして言う信長であった。

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