NO enemy HERO the PAIN〜敵を失った英雄達の傷跡〜

アリエッティ

第1話無くした英雄the prologue

ヒーロー…。

それは人々の憧れであり世界の平和、秩序を守る絶対的正義の英雄、子供達の夢。

蔓延る悪を打ちのめし、殲滅する。

どんな強大な悪であろうと世界の為に立ち向かう、正義は必ず勝つのだ!


…そう、彼等は悪に勝つ。いや、勝ち過ぎたのだ。


「退屈な世界だぜ‥」


ゲイトシティ、ヒーロー

『パワー・スター』通称ゲイティ。

ゲイトシティの平和を守るヒーロー

性別男 武器唸る拳、鋼の肉体

参加理由


「申し訳御座いません

情報が不足しております。」


「あ?なんでだよ?

充分書いてあると思うぜ?」


「一番下の此処、参加理由が明記されておりません。」


「理由なんか必要なのか?」


「当たり前です

本機関の最大重要要項ですので。」


「本機関ねぇ‥」


俺は、ヒーローだ、歴とした本物な。

ゲイトシティって中々の街で、ガイアークって悪もんを相手にしてた。街の連中にも親しまれてよ、憧れの眼差しで見られた。特に子供達には、英雄扱いされてゲイトシティのヒーロー、『ゲイティ』だなんて呼ばれてた。


「これでいいか?」


「‥はい、問題御座いません。」


しかしいつしか俺を恐れたのか、街にガイアークは来なくなった。お陰で秩序は保たれ、平和で穏やかな時が流れるようになった。


「しかしそれが、悲劇を招いた。」

 悪を無くした街は優しい空気に馴染み、俺という正義を必要としなくなった。偶に巻き起こる騒動も、俺が出る幕も無く警察が解決していた。


「平和を望んでいた筈なんだがな‥」


人々に蔑まれる訳では無い、憧れが消える訳でも無い。だが、必要とはされていない。悪が消えれば、正義も消える。そんな時、一通の手紙が届いた。


「正義に疲れた貴方へ、ヒーローバトルに参加してみませんか?」


黒い封筒を開くと、手紙にはそう書かれていた。ファンレターにしては不気味過ぎるよな


「受付は終了致しました

ロビーにてお待ち下さい。」


「ロビー?

この先にもう一つ部屋があるのか」


「……」「愛想無ぇ奴だな。」

なんやかんやで釣られて来ちまった、ヒーローバトルってのがなんなのかは良く分からねぇが、街よりは退屈しなさそうだ。


「英雄だって崇められる事も無さそうだがな‥」


パワー・スター、バトルエントリー。

参加理由

強大な悪と戦う。










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