第27話 開拓19日目 壁パネルの作成③

◇  ◇  ◇


[ 開拓19日目 ]


 今日も昨日に引き続き、壁パネルの壁枠を組んでいく。


 今回、壁枠に使用する2×4材は数が多く、どれも見た目も似ているため、長さを測って切断した時にそれぞれ設計図と対応するように鉛筆で印を付けて管理するようにしている。


 なので資材置き場から目当ての木材をピックアップしてきて、組み立ていくと言う壁枠づくりの作業はさながら大きいプラモデルを作っている様である。


 しかし、プラモデルと異なるのは『木材には個体差』があるということだろう。


 今回ホームセンターで買ってきた2×4材は全て規格に基づいて同じサイズになる様に加工されたものであるが、それでも多少の捻れや反りが個体差として残るため設計図通りに組んだとしてもぴったりはまらず、ほんの少しの歪みや隙間ができてしまう。


 壁枠を組むという作業は、それらを地道に修正しつつ、固定して行く作業だったのだ。


◇  ◇  ◇


 壁パネルの壁枠はどんどん出来上がっていったが、そのことで困ったのは壁枠を一時的に保管する場所だった。


 とりあえず建築エリアのすぐ近くの地面に直接ブルーシートを敷いて、その上にそのまま積み重ねていったが、組み上がって一体化した壁枠はまだ合板を張っていない段階でもかなりの重量があり、これを移動させて床の上に立ち上げていく作業にはかなりの労力が必要となりそうだった。


 壁枠作成の作業はどんどん加速し、15時ごろには全ての壁枠が組み終わった。


 次は、壁枠に貼る構造用合板を準備していく。


◇  ◇  ◇


 2×4工法では壁枠に構造用合板を貼り付けることで、『面』として壁パネルが建物の重量を支える。そのため構造用合板はとても重要なパーツと言えるのだ。


 この構造用合板には12mm厚のものを使用する。買ってきた910mm×1820mmサイズの合板は、そのままでは1枚あたり10kgほどの重量があり、取っ手が付いていないこともあって持ち運びにくく、運搬作業は大変だった。


 また今回は、構造用合板をあらかじめ設計図通りに電気丸ノコで切断してあらかじめ準備しておく。


◇  ◇  ◇


[ 構造用合板の準備 ]


 まず、構造用合板を設計サイズ通りに切断するために鉛筆で墨線をつけていく。


 この作業は本職の大工であれば『墨つぼ』と呼ばれる本物の墨と墨糸を用いた専用の道具を用いることで、素早く精確に墨線をつけていくのが普通であるようだ。


 しかし今回は素人作業なのでチャレンジングなことはせず、これまで何度も使って十分に慣れているメジャーと指矩さしがねを使用し、地道に線を引いていく。


◇  ◇  ◇


 構造用合板の墨線が付け終わったのは夕方の少し前頃だった。


 引き続き合板を電気丸ノコで切断する作業をするかどうか迷うところであったが、電気丸ノコの作業はおそらく日が暮れるまでに全部を済ませることはできないと考え、今日の残り時間は別のことをすることにした。


 行うのは『壁を起こす際に支えとするストッパーの取り付け』である。

 

◇  ◇  ◇


[ 壁起こしストッパーの取り付け ]


 一人での壁起こしは困難が予想されるため、壁パネルを立てる位置にあらかじめ支えとなる端材を取り付けておく。これは勢いを付けて壁パネルを起こした時に、壁パネルが目標の位置である床の端にちょうど収まるようにするものである。


 もし作業者が2人以上いる場合は、壁パネルを立ててた後に一人が壁パネルを支えつつ、もう一人が壁パネルを少しずつズラして微調整して行けばよいのでわざわざこの工夫を行う必要はないかもしれないが、この山中には自分たった一人しかいないので仕方がない。


 一人での壁起こしはセルフビルド小屋づくりにおける難所と言われる部分であるが、事前の準備によって少しでも成功する確率をあげておきたいところだ。


◇  ◇  ◇


 ストッパーをあらかた取り付けた後、作成途中の壁パネル木材と建築エリアにブルーシートで覆いをかけ、この日の作業を終えた。


 明日は壁パネルを最後まで仕上げたいところである。


◇  ◇  ◇

--経過--

進入路の工事       完了

資材の購入(基礎・土台) 完了

資材置場(仮)の建設   完了

基礎工事         完了

資材の購入(床材・壁材) 完了

土台           完了

床の施工         完了

資材の購入(屋根材)   完了

壁の施工         進行中

 枠材の準備       完了

 壁枠の作成       完了

 壁パネル支えの取り付け 完了

 構造用合板の貼り付け  NEXT

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